20代の頃、「40歳で独身だったら、死にたいな」と思っていました。
これ、雨宮まみさんも同じことを「40歳になる」というWEBエッセイの冒頭で書いていて、そして本当に彼女は40歳で亡くなりました。
彼女は自殺だったのでは?という予想がネット内には入り乱れ、しかも雨宮まみさんの著書を一度も読んだことがないようなアフィリエイター男性が妄想を書き連ねながら
「やはり40歳で独身というのは、女性にとって辛いことなんでしょうが、彼女はお綺麗な方だったし、まだまだ可能性があったはずなのに、残念なことです」
とか締めくくっていて、私は大変頭にきたものです。
この件はメインブログでも書きました。
昔は「失恋を苦にした自殺」というのは、ニュースでもあったし、ドラマや漫画でもありました。
でも最近はわざわざニュースにもならないのか、そこまで失恋を苦にしなくなったのか、聞きませんね。
その代わり、アラサー以上の独身女性が急に亡くなると
「独身が辛くて自殺したのか?」
と思われてしまう、というのをネット内でよく見ます。
こうなると、アラサー以上の失恋は
「失恋を苦にした&結婚できないのを苦にして自殺するかも?」
とか思われてしまうくらいの、ものすごい出来事のような気がしてしまいます。
私の身近には自殺した人はいませんが、知人の知人とかではたまに聞きます。
主に仕事や対人ストレスが原因だったそうですが、「失恋」の為だけに亡くなったという話は聞いたことかありません。
ちなみに…めっちゃ恥ずかしいですが…
「死んでやるー」
的なことを男性に言ったことは、一度だけあります。
学生時代に弄ばれた男性に、でしたが、いや、実際には何もしていませんよ?
食事が喉を通らなくなって(真夏だったから夏バテもあったかも)、心療内科で薬を出してもらってたので、
「今から薬を飲む」
的なことをメールしました。
その数時間後に友人から
「大丈夫?」
とメールが来ました。
男は私が送ったメールを友人に転送して、
「一応様子を確認したら?」
と言ってきたんだそうです…
今もこの友人は仲良しですが、ホントにすまない…。
実際には私は、どんなに落ち込んでも、死にたいくらい落ち込んでも、リストカットも何もしたことがありません。
てか、鬱を経験した友人たちとも話したのですが
「マジで辛い時って、自殺する元気も無いよね。
カラダが動かないし、何もしたくなくなる」
と同意し合いました。
今時「死んでやるー」と言われて、引き止めようとする人はあまりいません。
「はい、お決まりワード出ました!」
くらいに思われます。
あ、前述の友人のお母さんがこれ言って家を飛び出したときに、家族が
「出た出たー」
と思って家にいたら
「何で追ってこないのよ!」
と電話がかかってきたことがあるそうです。
お陰で友人は、私が失恋で取り乱しても、冷静な顔で面白がって眺めていてくれます。
おかざき真里のマンガ「サプリ」で、自殺するアラサー女性が登場します。
ドラマ化もした、広告代理店で働く女性たちのお話です。
ドラマはかなり原作のイメージと変えられてしまっていましたが、作者が実際に博報堂で働いた経歴のある女性なので、とてもリアルで面白いマンガです。
彼女は彼氏の美容院開業資金を一千万円以上投資したのに話がポシャり、ヒモ状態なのに苛立ちながらも癒しの存在と思っていたら、その後彼氏が浮気、喧嘩の末に家を出ていかれてしまいます。
そして興信所を使って彼氏の行方を調べたところ、これまで聞いていた彼の経歴は嘘で、何年も前から別の女性と暮らしていたことが発覚し、ボロボロになります。
主人公はその女性を心配し、食事に連れ出し、笑顔で会社に来て仕事が出来るようになった、と思った1ヶ月後に、彼女は自宅で縊死してしまいます。
この件は主人公と周囲の女性たちの心に深い傷を作り、アラサー女性の1人は、結婚の意思の無い彼氏と別れてお見合い結婚をします。
「1人でいるのが怖い」
女性たちは、自分が元気に生きて行くために、伴侶を得ることについて考えます。
実際問題、失恋だけで自殺を考える人はとても少ないのでは?という気がします。
仕事や家族や友人などに引き止められることもあると思うし、一時的に激しく落ち込んでも、
「たかが失恋で死ぬのは、我ながらどうかな?」
と冷静に考える自分も出てくると思います。
しかし、「もう何のために生きているのか分からない」と思ってしまい、将来に絶望することはあるかもしれません。
「サプリ」の女性は、大金を注ぎ込んだ男性に裏切られていた、というのが、普通の失恋とは違いますよね。
「マンション買ったと思って、これからまた働いて貯金すればいいや」
と思える会社に勤められていたわけですが、私はこの女性と同じ職業なので想像が出来ます。
(こんなキチンとした会社で勤めてはいませんが)
毎日、色んなものを見て、考えて、手を動かして、作り出していく。
そのエネルギーをプライベートで奪われてしまうと、もう走る気力が無くなってしまう。
電通の過労死は今あちこちの業界に波紋を広げていますが、でもアレは会社だけの問題じゃないと私は思っています。
仕事が楽ならプライベートが充実するわけじゃないし、下手に自由な時間があることで、精神的に追い詰められることもありますし。
普通に失恋しただけでは、大抵の人は「そうだ、死のう」とまでは思わない。
でも、それ以外の生き甲斐が無いと、死が身近になってしまう。
失恋自体は、キッカケになるということはあるのかな、と思います。
「生きていれば良いこともあるよ」
なんて言葉は、なんの慰めにもなりません。
たった1人の男性の存在の為だけに死ぬワケではなくて、それ以外の要因もあるとき、それは1人1人事情が違うので、正しいのはコレだ、とは私は言えません。
ただ、普通に生きていても、事故や病気も色々あるから、失恋とか孤独とかの為だけに全てを投げ出して、その後ずーっと地縛霊として苦しむのは嫌だなぁ、と私は思っています。
私ホラー好きなので、自殺したらその時の気持ちのまま時が止まる、というのを信じています。
飛び降り自殺した霊って、ずっと屋上から飛び降りる瞬間のところにいるんですって。
元彼が霊感のある人だったんですが、
「飛び降りの霊は地面にはいないよ」
と近所で飛び降りがあった時にアドバイスしてくれました。
生きていれば忘れられる嫌な感情を、ずっと死んでも抱えているなんて、私は嫌です。
ずっと失恋の悲しみや辛さを抱えているより、独身のおばさんやお婆ちゃんになって、毎日お日様や花や食事のことで小さく楽しみを見つけられる人生の方がいいです。
そうすれば、過去の辛かった気持ちも、少しずつ忘れていけるから。
以前メインブログに、「首吊りに適した場所はどこか?」という記事を書きました。
最終的に「無い」という締めにしたのですが、この記事、時々検索で来る方がいて
「ヤバい、本気で場所を探してる人がいる…」
と震えています。
人生の選択は人それぞれ自由で良いと思いますし、「遺された人が〜」とかは、私は言いたくありません。
でも、失恋とか独身とか、そういうことが原因ってのは、なんだか負けた気がします。
世間とか、他人とか、自分とか、そういうのに負けて、衝動的になのか計画的になのか、そういう選択をするのは、私は今のところ嫌だなぁと思ってます。
コレは雨宮まみさんも書いていて、私はやはり雨宮さんの死があったので、より一層、何だか色々考えて、その上で
「人生いつ終わるかなんて考えても仕方ない」
という結論に至りました。
前向きになろうがなるまいが、それも自由。
でも出来ることなら、失恋で周囲が見えなくなっているだけで、全てが悲観的に思えてしまっているだけかもしれないから、
せめて一度立ち止まってから、本気で失恋で死ぬのか?を考えても良いのではないかな?と思います。
ちなみに、私に振られて誰かが死んだとしても
「そういう性格の人だったんだろうな」
と思って、自分だけの責任だとは私は思いません。
そんなもんなんじゃないかな?人って。
「あー思い込みが激しい、精神ヤバい人だったのかなー」
なんて思われたら踏んだり蹴ったりだから、私は失恋の当て付けで死んだりはしたくないです。