マンガ「あなたのことはそれほど」で、有島の浮気がバレて妻の麗華が実家に帰ったとき、電話口で敬語になる麗華に
「敬語、怖いからやめてください…」
と有島が懇願するシーンがありました。
怒ると敬語になる、というのは、私もよくやります。
一線置いて接したい、という自分の気持ちをアピールする時とか、今まで通りに話してこの怒りをうやむやに流してしまいたくない時に、自分の中の線引きで敬語になったりします。
怒ってなくても、ふざけて敬語になるとか、お願いごとがあって敬語になる時もありますね。
もちろん敬語は、真面目に目上の人に向けて使うことがほとんどですが、意図してワザと敬語を使う時とは意味合いが変わってきます。
ただ、私はそんなにビジネスシーンでの敬語の使い方をよく分かっていないので、文章での時候の挨拶とかそういうのは毎回ググッて調べてから書いたりするレベルです。
最近ずっと鈴木さんに対して私はモヤモヤした気持ちを持っていて、メールでは固い敬語をワザと使っていました。
これまでもそういうことはあったので、鈴木さんには「また他人行儀プレイで怒ってるアピールしてんのかー」と流されている気もしますが。
特に理由も聞いてこず、鈴木さん本人は今まで通りに接してくる様子を見ると
「私の怒りを解く気もないワケね!」
とより一層私は天邪鬼な気持ちになってしまいます…(大人なのに…)
で、昨日ちょっと謝罪メールを送る機会があったので、文末にプロジェクトのことを少し書き
「皆様のご健勝とご活躍をお祈りしております」
と締めました。
まぁこれもググッてから書いたのですが、「ご健勝」は「健康を願う」ということなんですね。
最初は「ご健勝をお祈りしております」にしようと思ってたのですが、プロジェクトの進捗の話だったので「ご活躍」も入れました。
このメールへの鈴木さんの返信は、謝罪に関しては「気にしなくていいですよー」と書いていて、更に
「お祈り、ありがとうございます(笑)
がんばりますー!」
と、ワザと書いた文末の締めを、笑って切り返してきました。
…この子、強い…!
日本語の杓子定規な定形文「お祈りしております」に、「お祈り、ありがとう」と切り返してくるとは…!
こういう切り返しされると、こちらも笑ってしまって、つい怒りが薄らいでしまいます。
私がこうやって怒りを敬語で表している時に、「どうしたの?」と聞いたり、謝ったりしないで、笑って流すことが出来る人って、私は元彼と鈴木さんくらいしか出会ったことがありません。
他の人だと、オロオロしたり、逆ギレされたこととかもありました。
まぁ鈴木さんに関しては、私がどんなに怒っても関係ないって思ってるから、こんな風に切り返してこられるのでしょうが、でも怒りをそのまま受け止めて改善しようとするより、こうやって笑って流せる人の方が、憎めなくて得な気がします。
でもまぁ、ホントは「どうして怒ってるの?」とか、自分のせいで怒ってるなら「ごめんなさい」とか言ってくれるのが一番なんですけどね…
鈴木さんとは、表面的に穏やかにソツなく接するのが良いのでしょうが、私はまだどうしてもそんな気持ちになれません。
そうやって大人になれない私を、笑って流せる鈴木さんは、大人というか、自分に自信がある人に見えました。
相手が怒っているのが馬鹿馬鹿しい気持ちになれる切り返しが出来ると、ソツなく怒りを解くことができるものなのかもしれませんね。
でもまだ怒ってるけどね!