私は元々「鈴木さんはイケメンで可愛い!」と周囲に言っていました。
なので鈴木さんと親しい人たちから色々情報をもらったりしてたし、鈴木さんもそれが分かっていてニコニコと私と接していました。
この過程を知っている大人は、「うららさんは本気で鈴木さんを好きかもな?」と思いつつも、「うららさんは本気ではない」という「社会人の私」設定に合わせてくれています。
問題は、この経緯を知らない人たちです。
私は基本的には、他人がアレコレ言うのはどうでもいいと思っています。
他人のことを考えても仕方ないですからね。
数ヶ月前から、私の前で鈴木さんの話題が出ると、下を向いたり、表情が固くなる若者がいるのは気付いていました。
「若者が『うららさんは、鈴木さんのこと好きなのかな?』って言ってたよ」と親しい同僚から言われたこともあります。
若者以外にも、わざと私の前で鈴木さんの今カノの話を頻繁に出して、私の様子を見ようとするおじさまもいます。その度に演技をしなきゃいけなくて、ウザいです…
私がまだピチピチの新社会人だった頃いた職場で、仲の良い男女の先輩たちがいました。
女性の方が年上で、サバサバした姉御肌で良い方だったのですが、男性先輩の話題になると、何だか女な部分が見える時がありました。
男性先輩は兄貴分タイプの人で、遠距離恋愛の彼女がいました。
でも多分他にもチラホラと遊んでいた女性はいたと思います。
男性先輩が彼女との結婚を決めた直後に、その女性先輩は退職をしました。
「結局あの2人って、何かあったのかな?」
「本人は『何もない』って言うけど、なんか変だったよね」
「職場内で男女のことがあるのって、気持ち悪いねー」
と私は同僚と話していました。
若い頃は、そういうの気持ち悪いと思ってましたね。ま、私もその後その職場で、別の男性先輩とおかしなことになりましたけどね。
そんなことを思い出し、若者に変な気遣いをさせてたら申し訳ないなぁと思っていました。
あの頃の私よりも、若者はリア充で世間を知っている大人な性格ではありますが、実際にどう思っているかは分かりません。
先日若者と飲んでる時に、やはり鈴木さんの話題が出ると様子がおかしかったので、そっと携帯から鈴木さんに
「もしかして何か言ったの?」とメールしました。
鈴木さんからは「何も言ってないし、言う気もないから心配しないでください!」と返信が来ました。
私は鈴木さんに、口裏を合わせることを強要できる立場ではありません。
言いたいなら、影でなんでも言えばいい。
私の立場が悪くなるだけなら良い、という男前な気持ちと、
若者に変な気遣いをさせたくない、という気持ちと、
鈴木さんに必要以上に負担をかけたくない、という気持ちと、
やはり保身の気持ちが交錯しました。
自分の気持ちが色々混ざっている為、メールの続きを書いては消し、また書き、やはり消し…をし続けていたら、再度鈴木さんから
「こちらは何も気にしていないし、誰にも何も言うつもりはないから、安心して休んでください!」と送られて来ました。
鈴木さんはこの件で私と話し合いたいわけでは無く、早くこの話題を終わらせたいように感じたし、赤の他人より鈴木さんの言葉を信じるべきだと思ったので、軽い口調でやり取りを終えました。
社会人としての私と、女としての私がぐちゃぐちゃ混ざっていましたが、それは鈴木さんには「社会人として」以外は関係のないことです。
赤の他人がアレコレ妄想しようと、鈴木さんが大事にしたいのは、自分の社会的立場とプライベートで、そこに私の感情は関係ありません。
フワフワと仄めかす言葉で誤魔化したメールは、相手への思いやりと、保身に塗れたモノになりました。
「私は鈴木さんのことを本気で好きなわけじゃないよー。そんなことあるわけないじゃん」
と若者には言っておきました。
若者は少し驚いた顔をして「そうなんですか?」と言っていたので、冗談のフリをして笑っておきました。
私は口が軽い馬鹿正直な人間ですが、この気持ちや過去のことを誰にも話していない、と鈴木さんが知っていてくれていたら、それで良い気もします。
私・鈴木さん・若者への社会人としての配慮。
その全てとどこでどう折り合いをつけるかは、私一人の問題です。
ってか、私と鈴木さんが誰にも言わないでいることは何なのか?の認識が、私と鈴木さんで同じかどうかも分かりません。
「2人の秘密!ムフフ」
と私が思っていたら、鈴木さんも気持ち悪いかもしれない。
色々考えていたら、段々面倒くさくなりました。
思い返すと、「若者に何か言ったの?」なんてメール、鈴木さんにすべきじゃなかったな。
「お前のことなんか、こっちは考えてもいないし、どーでもいいよ」
と思っている人に探りを入れても、面倒でウザいと思われるだけだし。
そもそも私が鈴木さんの話題を出さなければ、他人に勘繰られることもなかったのだから、鈴木さんから見たら、私が1人でいつまでもジタバタしてるようにしか思えないでしょう。
どの程度若者が私の鈴木さんへの気持ちを不快に思っていたかは分かりませんが、私の女な部分を見せたことで、色々思わせてしまっていたと思うと、大変申し訳ないです…
そのフォローを脳内で私がアレコレとジタバタ考えても、表面的にはフワフワと仄めかす軽い冗談しか口には出来ません。
それが、社会人というものです。
ガチンコで本気で熱い想いを伝える相手は、それを受け止めてくれる人だけにしないと、面倒に思われて自分が辛くなるだけですからね…
ちなみに、前述の女性先輩ですが、アラフォー中盤で電撃結婚&出産されたそうです。
夢で学生時代の元彼が出てきた時に「あなたの運命の相手はこの人です」という声が聞こえてきたので、久々に連絡を取って再会して結婚されたとか。
脳内で他人のことをアレコレと考えるよりも、人間は直感で行動した方が良い時があるんですね。
私もあまり深く考えず、でも他人に迷惑を無意識にかけ続けないように、気を引き締めていきたいです!