学生時代にずっと好きだった人に弄ばれて、その人に彼女が出来た時に
「好きな人の幸せを喜べないのか?」
と言われたことがありました。
そんなこと言う男、クズだなーと思いますが、案外世間にはこんな男は普通にいるものです。
私は今も、鈴木さんの幸せを全然喜べていません。
鈴木さんに彼女が出来て、すぐに同棲し始め、会社から通勤費を横領しながら全く隠さず、私の前で笑顔で皆んなに彼女の話をすることに、なんとも言えない嫌な気持ちになります。
ただ、付き合えなくても良いから、ほのぼのと好きでいたいのに、ワザと傷付けようとしているかのように勝手に感じてしまって、そう思ってはいけないと思ってまた自分の性格の悪さに落ち込んでしまう。
友達が同じ状況なら
「好きな人の幸せなんて、喜べなくて当然だよ。
近くで姿が見えるから余計辛くなるんだから、離れていた方があなたの為だよ。
我慢してニコニコと応援してあげましょうとか恋愛マニュアルによく書いてあるけど、そういうのは自然と出来る人か、計算高く出来る人にしか無理だよ。
相手があなたの気持ちをちゃんと考えてくれていたら、目の前で彼女の話なんかしないよ。
気にせず話すような間柄が嫌なら、離れた方が良いと思う」
と言います。
他人の幸せに傷付くなんて、すごく無駄なことだと思いますし。
ドラマ「トドメのキス」にハマっているのですが、最新話の中で
「叶わないと分かっていても、この気持ちだけは捨てられない」
というセリフがありました。
ドラマなので、その好きな気持ちの為に犯罪をおかす人もいれば、そっと離れて、でも相手のピンチには命をかけて守る人もいて、そういう感情があるゆえの行動が分かりやすいのですが、現実ではそんなことは起きないし、やはり捨てられない気持ちは自分の中で抱えながらモヤモヤをいつか忘れられるように暮らさないといけませんね。
この土日で鈴木さんと少しやり取りをしたことで、私に対して個人的な思い遣りが全く無いことを改めて感じました。
同僚として支えていこうと思っていた気持ちさえ、踏みにじられた気持ちになりました。
別に鈴木さんには悪意は無くて、必要以上に期待して欲しくないという牽制を上から目線でしているのか、全く何も考えていないか、現実を知るのが私の為だと思ったか、全く違うことを思っていたのかもしれません。
そもそもいい年をした私が、その程度のことでは傷つかないと思うんでしょうし。
よく恋愛相談サイト等で「いい年してそんなこと考えるなんてー」とかありますが、あれは世間の思い込みですね。
10代だろうが80代だろうが、嫉妬とか無駄な怒りとか湧き上がるものです。
20代でも30代でも40代でも、好きな人の彼女や奥さんの話は聞きたくないでしょう。
それを何とも思わない、それが大人だと思っている人は、大人とは利己的なものだと考えているか、周囲の人をちゃんと見ていないんじゃないかなーと思います。
年をとれば、誰でも好きな人の幸せを願って、それを自然と出来るようになるわけじゃない。
私と同じ歳で結婚している人が、旦那さんに彼女が出来て離婚を告げられたら、そりゃ私の片思いとは立場やレベルが違いますが、新たな彼女の話なんて聞きたくないはずです。
立場が違っても、相手を好きだと思う気持ち、傷付きたくない気持ちは、あるんじゃないでしょうか?
知人で50代で旦那さんの不倫の末に離婚した方がいますが、彼女のFacebookのアイコンが旦那さんとの旅先での写真になっているのを見て、「東京タラレバ娘」の小雪のことを見るのも辛かったそうです。
まぁ、好きでいるから傷付くなら、好きな気持ちについてあまり考えずに、宰子のように相手に期待しないまま、ただ求められることに応じて過ごすのが良いんでしょうね。
特に求められることが無いのなら、それを受け入れて、保身の為に好きな人に近づかない。
どうせ、いつか好きな気持ちは無くなるから。
私は今は、冒頭の学生時代の人のことを好きでも何でもないし、幸せも不幸も願っていません。
会える機会があったら、会わない方を選択します。
彼を嫌いということではなく、彼に傷付けられた時のことを思い出したくないからです。
「トドメのキス」の中で宰子は一度、結婚する旺太郎から離れる決意をしました。
「あなたといるのが辛い」
と言っていて、そりゃ好きな人の幸せを側で見続けるのは辛いだろう、と思いました。
ドラマだから、やはり旺太郎は離れようとする宰子を引き止めようとしてくれていて、そんな風に引き止められる宰子はいいなぁ。
私も程よい同僚としての距離感を探ってきていましたが、それはやはり無理だったみたいです。
自分に正直に、でも相手に不快感を与えないように、うまい位置をまた探らないといけないかもしれません。