鈴木さんが退職してから、あー楽になった、という気持ちと、孤独感を感じています。
鈴木さんのことを思い出す時は、元彼の結婚も同時に思い出し、何となく2人をセットにして心の引き出しにしまっているようです。
ので、「好きな人に選ばれなかった自分」ということについて虚しい気持ちになったり、私を無視し続けた元彼に怒りが湧いてきたりしてしまいますが、鈴木さんに関してはかなり記憶が薄れてきています。
先週一度「いつか鈴木さんの送別会をする時はこの店で、と思ってたところが来月閉店することになってしまった」というLINEをしてみました。
私と鈴木さんは日本酒飲み仲間だった時期があり、その店の話題は何度か出していたので、いつかその店に一緒にいければ、と思っていたのですが、ビルの老朽化で一時閉店、再開場所未定となってしまったのです。
「そんな急がなくても、大丈夫ですよ」というような返信が来て、それってこちらの状況を気遣ってるのと、近日中に会いたいとは思っていない、というのが混ざった言葉だなーと思いましたが、私も本気で送別会をしたいと思っていない風の書き方をしているので、無難なやり取りだったかと思います。
毎日、鈴木さんの姿が見えたり、声が聞こえたりして、ドキドキしたり、寂しい気持ちになることが無くなり、それはそれで無駄に心の中がザワザワすることも無く、平和な気持ちではあります。
仲良くしていた頃は楽しかったけれど、後半は姿が見えるだけでイライラしてしまっていたし。
鈴木さんが退職した翌日、机に皆んなに配ったお菓子が置かれていました。
お礼のLINEを送りましたが、結局それは食べずに捨ててしまいました。
鈴木さんからお義理でもらったものを口にしたくない、と思ってしまったんです。
そんな風に思う時点で、私は鈴木さんのことを本当に好きでは無かったのかもしれません。
私は結局、好きな人に自分のことを考えて、大事にしてもらいたかった。
自分の欲望しか考えていない、勝手な気持ちを押し付けていただけでした。
それが報われなかったことにガッカリしたり、イライラしていて、心から相手の幸せを願えない。
でも、「相手のことを本当に好きなら、こうするはず」みたいな正論を考える気持ちにもなれなくなっています。
新しい職場で鈴木さんがどんな風に過ごしていようと、他人事としか思えません。
鈴木さんも、私の体調や社内環境のことは他人事としか思っていないから、そんな人のことを考えても無意味だなーと冷めた気持ちになります。
また会いたい、とは今は思いません。
私が忘れられないのは、鈴木さんや元彼本人ではなく、楽しく過ごしていた時のことや、期待していた時の自分の気持ちです。
「私はこうしたいと思っていたのに」
という自分の欲望を忘れられないだけなのかな。
もちろん、付き合っていた元彼と、片思いしていた鈴木さんでは別物なので、鈴木さんに関してはより一層他人事と思っています。
でも元彼のことも、そのくらい他人事として考えられていたら、もっと早くに忘れられていたんでしょうね。
ただ「所詮、自分を選ばなかった人は他人」という冷めた気持ちで忘れるよりは、もっと穏やかな優しい気持ちで忘れていけた方が良いな、とは思います。
私が忘れようと忘れまいと、好きだった人には関係のないこと。
でも、好きだった気持ち自体は悪いものではないし、どんな風に私が気持ちの整理をつけようと、私の自由。
今後また誰かを好きになることは、あるかもしれないし、無いかもしれません。
彼らを好きだった時に色々考えたこと、経験が、次に活かせたら良いなぁ。
今でも毎日思い出しはするけれど、他の女性と結婚したという時点で、私の中でハッキリと区切りがついています。
頑張って忘れようとしなくても、一気に気持ちが冷めていきました。
「好きだった人を忘れられない」というのは、結局相手自身ではなく、自分の気持ちのことなのかな、と今は思っています。