前巻、前々巻と発売をずずずさんに教えてもらっていた「世界で一番俺が◯◯」。
最新刊、6巻は自力(と言ってもブログのアクセス解析を見て、「既刊のネタバレ記事にアクセス増えてるけど、もしや?」と思って検索した)で発売を知り、先程読み終え、ネタバレ記事も書き終わりました。
「3人の中で一番不幸になった人が勝ち」
というゲームに参加しているだけあって、どんどんと内容が重く辛くなってきています…
さすがに家族の不幸や、思い通りにならない相手を刺すだの、電車に飛び込むだのは経験したことないけど、それでもこの登場人物達の仕事と恋と人生への絶望感、未来への焦燥感は、どこかしら共感出来ます。
私はこのマンガ、普段SNSで「もっとああすれば良いのに」「普通こうするはず」と薄っぺらい正論を振りかざしている人にこそ、読んでほしい。
でもきっとそういう人達は
「なんか登場人物の気持ち理解出来ないし、暗くてつまんない」
とか言うのかもな…
このマンガの深いところは、人生をゲーム感覚で捉えている人へのメッセージも込められている、ということだと思います。
最短のルート、平和なルートを選べる人が「普通」なわけではない。
他人がいる以上、自らが思い描いた通りの未来にはならないし、他人を思い通りには出来ない。
だからって、ぶつかることを諦めたり、変に思い込みで決めつけるのは危険。
最新刊でたろちゃんが「死んでしまいたい」と、自分の人生を完全否定しています。
最初の頃は穏やかで優しい良い子だったのに…
「他人のことばっかり考えるのは逃げでもある」と言われるシーンがありましたが、これちょっとドキッとしました。
私はついつい他人のことを気にしてしまいがちで、でもそれは自分自身から目を背けていたからかもな、と。
マンガの中では、目の前の辛いことから目をそらしても良いんですよ、的な意味で言われたセリフだったけど、でも、これは良い意味にも悪い意味にも当てはまる言葉なんじゃないでしょうか。
老いらくの恋、とかよく言うけど、今の自分から目を背けて他人のことを考える恋ってのもある気がします。
特にアラフォー以降とかだと、行き詰まった感ある自分の人生から目を背けて、恋は盲目状態になる、みたいな。
もちろんそこには、恋に落ちるキッカケも必要ですけど。
現時点で恋の相手がいないから、と芸能人追ってる私や友人は、やっぱ逃げてるのかな?
このマンガの登場人物たちは、人生詰んでるように見えても、まだ20代。
そりゃ新卒から数年以内に失敗すると、その後の人生全部がヤバくなる可能性高いのが今の日本ですが、でもまだ未来があるように見えます。
アラフォーの私が弱音吐いて「死にたい」とか言ったら、彼らの数十倍重い…
まぁだからこそアラフィフの自殺率が高いのでしょうが、年々色々行き詰まるのって、楽しくないっすね…
若い子から「あーすれば良いのにー、こーすれば良いのにー」とか表面的なこと思われそうだけど、そういうあれこれあった末の今、だしね。
とか暗く考え出すマンガなのですが、でもやっぱり、マンガは笑うためだけに読んでるのではなく、自分の中にあったり無かったりする感情や発想を揺さぶってくれる存在なので、オススメです。
そして、ナナミのように自分を犠牲にしても誰かのことを救おうと出来る女の子は、やっぱり素敵だな。
そんな自己犠牲さえ逃げの時もあるかもだけど、と思いました。