以前落語を観に行ったとき、落語家さんが
「デパートに行ったらクレジットカードを作るように勧められて、いざ作ろうとしたら職業が落語家だから、と審査に通らなかったんです。
熱心に勧誘してきておいて、通らないって酷いでしょ?
昔は落語家は働いていないものとみなされていて、選挙権も無かったんですよ。
その代わり、納税の義務もなかったんです。
今となっては、選挙権より納税しなくて良い方が嬉しいですけどね」
と枕で語っていて、爆笑しました。
女性に選挙権が無かったこと、その前は一般市民には選挙権が無かったこと、などは知っていましたが、職業でも分けられていたんですね。
ちなみに私としては、今は選挙権を返上する代わりに納税しなくて良いなら…そちらを選びたいです…
メインブログでも愚痴りましたが、本当にもう今回の都知事選に対する世間の反応を見ることに、疲れました…
私の周囲、と言ってもそこまで多い人数ではないはずですが、友人やFacebookで繋がっている人たちは、宇都宮健児や山本太郎に投票し、怒ったり意気消沈したコメントを発信しています。
そして小池百合子に投票した人を「政治に興味がない人」と決めつけて見下す発言をしているのをたくさん見かけて、心底うんざりしました。
確かに私はそこまで選挙に興味がないけど、過去に政治関係のお仕事に関わっていたことがあったり、知人に元&現政治関係者が数人いるので、SNSやネットニュースに出てこない話を聞いたりはしてきてます。
年齢も重ねているため、自民党から民主党政権に変わり、速攻で自民党に戻ったのも見てきている。
都知事選が2011、2012、2014、2016、2020年と短期間でガンガン開催されるのも、ちゃんと投票に行っていました。
私のスタンスはほとんど変わっていないのですが、周囲の人たちの政治への関心度が東日本大震災以降にかなり変わった気がします。
良く言うのであれば
「どうせ投票に行っても何も変わらないし、政治家なんて皆んな汚いことやってる」
↓
「私達の投票で今の世の中を変えないといけない!」
に変わりました。
それに伴い、自分とは価値観の違う人を見下す人が急増…
ええ〜選挙に行く人なんて、今まで関心持ってなかったじゃん?
私も一時期周囲に「ちゃんと選挙に行った方が良い」と言ったりしてたのですが、「現状で満足してるから行く気はない」とか年上でも年下でも言う人がいて、そういう人に上から目線で「行かなきゃダメ」とか言ってもウザがられるだけだし、お互い気分が悪くなるし、時間の無駄と思って止めました。
そんな私でも、今はもう選挙は行きたくない…というか、選挙のことを考えたくなくなってきちゃった。
投票率自体は大して変化していない、低い状態のままなのに、何故私の周囲はどんどん過激に変動してるんでしょうね?
私の周囲はほぼ毎回マイノリティな方に投票しているので、選挙の度に愕然としています。
それならそれで、そのマイノリティな人を勝たせるための方法を前向きに考えたら良いのに。
1人の友人は「話の合わない人と対話しても意味がないから、自分と気の合う人とだけ集まって対話をしていたら、徐々に賛同する人が増えていくはずだ」と言っていました。
メインブログに書いた知人は「話の合わない人と知り合って、説得して考えを変えてもらわないといけない」と言っていました。
私はどちらの考え方も間違っている、と思っています。
そもそも自分がどんな日本を、社会を目指しているのか、明確になっているのかしら?
そしてその状況に、本当にその候補者がピタリと当てはまっているのかしら?
本当に?本当にそう思ってる?
私には、「今の世の中に不満だから、対抗馬に投票したい」とか「いっそ全部ぶっ壊してみたい」って思って候補者の中から選んでるようにしか見えないんだけど。
で、総理や与党や都知事がコロコロと変わった過去のことなんて、全然覚えていないように見えるんだけど。
誰が政治家になっても社会は変わらない、とは思いません。
でもベンチャー企業のノリで未経験者に任せられる仕事だとも思えません。
と、私が思うこの価値観を伝えることさえ、上記の友人知人はイライラするかもしれない…。
自分たちは好き勝手に誹謗中傷して騒いで、言論の自由を主張して…
でも、価値観の合わない人の話を聞くと怒りだす。
これって政治だけでなく、会社や家族や友人間に対して感じることにも似てるな、と思いました。
私自身も、好き勝手に不平不満愚痴を言いたいけど、それをすると
「文句ばっかり言ってる」
と言って嫌われたりしてきたことありますし。
そうなると「本音を話す相手を選ばないといけないんだな…」となり、孤独な気持ちになりました。
「ネガティブな発言をしたらダメ」と言う人もいますが、それはそれで面倒くさいな〜嘘くさいな〜と思います。
それぞれ価値観があって、それをすり合わせるのが人生。
どうしても合わない人とは距離を置くしかない。
そんなの日常生活でも十分味わって疲れてるのに、なんで選挙という行事にも同じ思いをさせられないといけないの?
元々は「有権者にしか選択権が無いなんておかしい!平等に投票させろ!」という意志から選挙権は生まれたんじゃないのかしら?
なのに「現職じゃダメですよね〜私は○さんに投票しますよ〜選挙、行って下さいね!」同僚や友人が周囲に言って回って布教活動するのって、それもう選挙じゃなくて宗教の勧誘じゃん…
まぁ宗教と政治は紙一重なんだけども。
友人たちが「政治の勉強」として使っているツールとして挙げていたのが、ある方のラジオ番組でした。
一度そのラジオの概要が書かれたサイトのリンクが送られてきたので読んだのですが
「うっわ〜思考が偏ってる人なんだな〜苦手」
と思ってしまい、でもその人を推してる友人に直接感想を言いづらく、ふわっとどう逃げる物言いをすべきか迷いました…
そっかーそういう偏った価値観の人の言葉を見聞きしていて、色々考えて選挙に興味を持ったのね…
あくまでも私の印象ですが、周囲で政治に関心のある人の願いは
「私や私の友人を優遇して!関係ないお金持ちに税金を負担させて!」
だとしか思えません。
私は小狡い人間なので、友人繋がりでお金持ちから美味しいご飯をご馳走になったりして、ヘラヘラ笑って過ごしています…
お金持ちの人、お話面白くて博識な人相手だと、とても紳士的で話すの楽しいけどなー。
そういう人たちに「こいつ馬鹿だな」と思われずに済むように、会話の幅を広げるとか、愛想よく接するとか、まだまだ身についていない常識を教えてもらっている最中。
お金持ちはお金持ちで、そうなるまでに努力や苦労をしてきているし、貧乏人だって遊び暮らしてただけの人もいれば、苦労してきた人もいる。
皆んな色んな歴史があって、今があって…
いろんな立場の人のことを考えられるくらい、視野が広くて賢くて、話が上手くて、行動力があって、品行方正な人…なんて、ドラマや映画以外にも本当にいるのかしら?
私には今は、この人が良い!って政治家は特にいません。
敢えて言うなら、白洲次郎が生きていたら投票したかったな〜。(イケメンだし)
奥さんの白洲正子の本、買って数年経つけどまだ読んでませんが…
政治のことはよくわからないけど、でも、他人に罵詈雑言を叩きつけるような人が応援する人は支持したくないし、こんなことで一般人がぎくしゃくするなんて馬鹿みたい。
と、思う私の気持ちを変えさせなければ、私の友人知人はそもそも多勢の価値観を変えさせることなんて出来ないと思うけど。
それが出来ないなら…もう誰もが自由に選挙や政治について語れる世の中なんて、来なくて良いよ。
ポジティブな目線じゃなく、ネガティブな目線でしか語れないSNSの選挙活動なんて、見苦しいからやめてくれ!
あ、私のこの言葉さえ、ネガティブなのかしら。
そんな考えても無駄なことにイライラさせられたこと、本当に疲れました。
あーでも散々ブログで愚痴ったから、ちょっとは吐き出せてスッキリしたかな。
その程度の気持ちで、皆んな「都民は馬鹿」とか簡単に投稿しているんでしょうね。
私も、この自分の気持ちの吐き出しで誰かを傷付けているのかもしれない…
そう思い始めると、もう「面倒くさい」しか思い浮かばなくなる私のことを、誰か導いて欲しいものです…
とりあえず、コロナがもうちょっと落ち着いたら、また政治に詳しい知人と美味しいお酒飲みながら話そうっと。