拝読させて頂いているブログに、同僚からストーカーのような行動をされた過去のことが書かれていたのですが、とても興味深かったです。
私が常々思っているのは
「こいつはストーカーだ」
という判断基準は、お互いの関係性によって違うということです。
だから、完全に法律でストーカーと認定される基準は、すでにかなり進んでしまっている状況。
復縁したくて元彼を待ち伏せする行為は、ストーカー行為と言われることもあれば、「健気」と言われることもあります。
その判定をするのは、振った側。
「いきなり別れようなんて言われても納得出来ないから、最後にちゃんと一度話したい」
という相手を無視し続け、待ち伏せされたら「ストーカーだ!」という人もいれば、
「このまま無視するのは不誠実だから、きちんと最後に話すべき」という人もいます。
ただの同僚、しかもあまり話したことが無い人から待ち伏せがあった場合も、
「知人レベルの親しく無い同僚」
と認識するか
「会社の仲間」
と認識するかで変わってくる部分があるな、と思いました。
ブログ主さんにストーカー行為をした同僚男性の心理は、何となく想像できます。
「気持ち悪い。意味不明」と怖がられたメール内容は、多分ストーカー側は「情熱」と「冗談」が入り混じえて書いたつもりなのでしょう。
ストーカーから来る気持ち悪いメールや手紙の共通点には
「全く面白くない冗談が入っている」
というのが挙げられます。
情熱的に愛を告白した後で、「怖い」と思われたくなくて、
「自分はストーカーではなくユーモアもある一般的な人間だ」、とか
「いや、そこまであなたを崇拝しているワケじゃないんですよ」、
とアピールしたいがために、
対象者を小馬鹿にするようなことを書いたり、自分を卑下するようなことを書く、
という保身の心理があるのですが、
受け手から見ると、重い愛の告白と笑えない冗談が「情緒不安定」に見え、その一貫性のなさが更に「怖い」と思わせてしまうという、全く逆の効果を生んでしまいます。
ストーカー側が「こういう書き方をすれば怖く思われない」と考えて書いた文章が「怖い」と思われてしまうのは、残念な話です。
が、それが逆効果と分かっていない時点で、客観視できない人間アピールになってしまっているんですよね。
そのメールの後に対象者から避けられてしまうと、ストーカーは
「誤解だよ!話せば分かり合えるはず」
と思って、まずはストーカーの誤解を解くために待ち伏せをすることもあります。
しかし、それが更にストーカーだと思われてしまう…
また、同僚だろうが元恋人だろうが、一度ストーカーだと思われたら、もう時間を置いてもその恐怖心は拭えないものなのですが、ストーカー側はそれに一切気付いていないというのもよくありますね。
「怒り」の感情は時間を置けば薄らぐことはありますが、「恐怖心」は時間を置いても変わりません。
むしろ一年後にまたストーカーが顔を出したときに
「まだ執着してるのか!怖い」
と思われてしまうものなのですが、ストーカー側は「もうほとぼりが冷めたかな?」と思ってしまうのです…。
そもそもブログ主さんのストーカーは
で書いたように、相手との距離の詰め方が分かっていない男性だったのですが、多分相手の中ではブログ主さんは「親しい同僚」を越えた「恋愛関係になれる異性」だったのでしょう。
実際は「ロクに話したことないただの同僚」だったのに。
とはいえ、職場の人をいきなり「怖い」と拒絶するのは難しいですよね。自意識過剰と思われても嫌だし。
また、「ストーカーにはハッキリ言わないと分からない」 とか「無視が一番良い」というのは、私はちょっと疑問です。
「あなたには興味はありません」
↓
「まだ俺のことをよく知らないからだ」
とか思ってしまったり、
メールやLINEの既読スルーも
「ストーカーだと誤解されているかもしれないから、キチンと会って話さないと」
と思わせてしまうからです。
相手は、視野が狭くて執着心が強いけれど、「片思い」をしてきている人。
告白してきた人を躱す言葉として有名なのは「ありがとう」と言うことですが、それだけだと誤解を生む可能性もあります。
「○さんは、他の方同様、職場の仲間だと思っています。
今後ともお仕事でご一緒する機会がありましたら、何卒よろしくお願いいたします。」
と早い段階で社交辞令を言いながらフワフワと躱し、怖がったり避けてることを悟らせない。
と出来れば、時間はかかるけれど、エスカレートしない可能性はあります。
1度親切に対応し、その後情熱的なアプローチが来たらすぐに拒絶する。
こういう流れはよくありますが、案外コレは相手をエスカレートさせ、より犯罪的思考にさせる可能性があります。
何故かと言えば、ストーカーから見たら「まだキチンと自分のことを分かってもらえていない」
「つい数日前に優しくしてくれたのに、一通のメールで嫌われるはずがないし、嫌われたとしたら誤解があるだけ」
という、まだまだ未来に可能性がある状況に思えるからです。
片思い状態の人の心の中は、ポジティブとネガティヴが入り混じり、双方の妄想でどんどん視野が狭くなっていきがちです。
もちろん人によりますし、「相手から連絡が来ない=脈ナシ」とすぐに割り切れる人もいますが、「自分なりに相手の迷惑を考えて行動しているつもり」でより怖い行動をしてしまっている人もいて…。
そもそもこういうケースのストーカーは、最初は対象者を傷付けたいなんて思っていません。
「愛を返してくれなかった」ではなく
「馬鹿にされた」というのが怒りのキッカケ。
だから無視したり拒絶するタイミングを間違えたら、ストーカーはより一層加速していく。
じゃあストーカー化させないためには何が出来るのか?
と考えていくと、それは失恋して元彼に対していつまでも復縁を願い続ける自分は、どうしたらその想いを断ち切れるのか?
ということイコールだと気付きました。
誠実に、決して未来に望みを抱かせないように、冷静に離れること。
相手にそれが自分なりの優しさなんだと分かってもらうこと。
それが出来れば、憎まれることなく離れることが出来るかもしれない。
バツッと断つか、フェードアウトするか、どちらがベストかはケースバイケースですが、
フェードアウトするにしても、途中で絶対に期待を抱かせてはいけない。
そもそも私は待ち伏せはしたことが無いので、待ち伏せをする人の気持ちはイマイチ分かりません。
ただ、「待ち伏せしなきゃ話せない」と思われてしまうと、待ち伏せされる可能性がある、とは思います。
人は手に入らない相手ほど好きになるもの。
その心理は分かるのですが、想いを断ち切る確実な方法は、私にはまだ分かりません。
でもストーカー予備軍の人から変なメールがきたら
「えー冗談キツイですよー!それ知らない人が見たら怖いって思いますよー」
とか、笑いながら躱せたら、逃げるよりは相手をエスカレートさせずに済むかも?とは思いました。
自分がそれされたら、肩から力抜けちゃいますし。
そして自分から好きな人に思いの丈を伝えるメールやLINEをするときは、
「これ、重く思われるかな?」
と心配をして、無駄につまらない冗談を書こうとしてはいけない、ということだけは気をつけなければいけない、と改めて思いました。