少し年下のアラフォー独身女性同僚が
「私の将来の夢は『お局にならないこと』なんですけど、このままだと確実に、なるのを避けられません」
と言うので、笑ってしまいました。
彼女は少し前に紹介予定派遣から正社員になった事務員さんなので、休憩スペースで顔を合わせたら雑談をする程度の仲なのですが、
「休日何してました?」と聞くと
「ずっと寝てました」と笑顔で答えてくれたり、
「『直虎』は『ベルばら』なんですよ!
アンドレが高橋一生なんですけど、でもオスカルはフェルセンの柳楽優弥にポッとなってるんです。
ただ直虎と高橋一生は遠く離れていても、異次元の世界で囲碁をうちあうんです!『異次元囲碁』ですよ!」
とか教えてくれます。
一見サバサバ系で、コンサバ風でラインのキレイな洋服を着て、
「根性でヒールは履き続けると決めています」
と言って毎日パンプスを履いてスラリと立つ彼女のこと、私はかなり気に入ってます。
そしてお互いほんのりオタク。
私より年上のサバサバ系ぶってる女性って、結構根は面倒くさいメスっぽい人が多い印象だったのですが、彼女はメスっぽさが無くて面白いです。
弟がいそうだなぁと思って聞いてみたら、やっぱり弟がいるそうです。
「お年玉あげるから、お正月に帰っておいで!って連絡してるんですけど、帰ってこないからお年玉あげたことありません」
とか言っていたので、いつまでも末っ子気分の私から見ると「姐御!」と呼びたくなってしまいます。
何故か、年上男性から「姐御」って私も呼ばれてますが…
「姐御」と言えば、篠原涼子のドラマ「anego」の時の赤西仁、好きだったなぁ。
どうしてああなった…
当時篠原涼子は30代前半のお局役だったんですよねぇ。
今の30代前半はまだまだ若い人扱いだと思うと、それだけ長年働く女性が増えてるってことなんですかね?
しかし「将来の夢」というキーワードを久々に聞いて、なんだか新鮮な気持ちになりました。
「結婚したい」とか「子供が欲しい」とかは、将来の夢というよりは「野望」に近い印象があります。
なんとなく、口にすると鼻で笑われそうで言いづらいというか、みっともなく思われたり、アドバイスのようなお説教をされそうで、段々言えなくなりました。
言うとしたら、ちょっと自分を卑下して、お笑いノリで言わないといけない感じがしてしまいます。
でも「将来の夢はお局にならないこと」って言うと、なんだか可愛くて笑ってしまいました。
実際はまだまだ50代の方々がいらっしゃるから、今のアラフォーはお局の手前の人が多いのでは?という気がするのですが、どうなんでしょうか?
そう言えば、昔の「世にも奇妙な物語」で、加賀まりこがお局役をやっているお話がありました。
典型的な独身お局で、いつもカリカリしてヒステリックな女性なのですが、ある日お給料を確認しにATMに記帳に行ったら、残高に大金が振り込まれていることに気付きます。
何かの手違い?とドキドキしながらも、徐々にそのお金を遣うことが楽しくなり、ファッションは華やかになり、豪遊し、そして出会った男に貢ぎまくります。
しかし結局、男性はお金目当てなだけだったと分かり呆然とするのですが
「でも、あのお金は元々私の物じゃ無かったんだから、いいわ」
と気持ちを切り替えて翌月のお給料日に記帳に行くと、お給料が振り込まれていません。
経理に怒鳴り込みにいくと
「先日、残りのお給料を一括で振込みましたよね?」
と言われてしまいます。
彼女に振り込まれていた大金は、定年まで勤め上げた分のお給料が一括で振り込まれていただけだったのです。
彼女は嫌われ者なお局だったので、お給料の制度が変わったことを、同僚たちから聞かされていず、掲示板も見ていなかったので知らなかったのでした…
当時はこういう、お局女性を馬鹿にするドラマとかよくありましたねー。
結婚もせず、彼氏もいず、カリカリして怒りっぽく、皆んなに嫌われ者の働く女性。
確かに、そんな存在にはなりたくないものですが、まぁ私もすでに近いものがあるのかも…
ただ、もっと年上の独身女性も職場にはいるので、なんとなくまだお局は先のことのように思ってしまっています。
若い子から見たら、十分お局に見えてるかも…
もっと心穏やかな優しい人になりたい、とか、幸せになりたい、とか野望はありますが、私の「将来の夢」は何かな?と考えてみると、なんだかフワフワした気持ちになります。
「孤独死したくない」とか「お金に困りたくない」とかネガティヴな印象のある「◯◯になりたくない」という気持ちはありますが、
「お局になりたくない」
という、ちょっと可愛い将来の夢は、なかなか思いつきません。
何か笑いながら話せる「将来の夢」を、私も探してみたいなぁと思いました。