先日ちょっとトラブルがあって、昼食時間が遅くなりました。
疲れ果ててボンヤリと、食事中に電子書籍で買ったいくえみ綾の「ケチャップマヨネーズ」を読みました。
これ、以前は紙の本で持っていたのですが、蔵書整理した時に処分してしまったのです。
8月に電子書籍化されたので、良かった!
この本に収録されているお話は、寂しいお話ばかりです。
特に「アイスクリーム チョコレート」は寂しい…
主人公の「さくら」は、小学生の頃から「新家(にーや)君」が大好きで、同じ大学に入った今も14年間恋しています。
そして、神様から「今日から好きな顔を選んでよし!」と言われ、「にーや君が好きなそーまさんの顔」になりました。
「そーまさんの顔になれば、にーや君はすぐに私に恋に落ちるはず!」
しかし、なかなか進展しません。
そもそも、そーまさんを最近見かけないけど、どこに行ったんだろう?
もしかして、私がそーまさんを消したの?
徐々に精神不安定になり、オヤツを過食するさくら。
サークルの後輩の茅野は、さくらの様子がおかしいことに気付き、新家に聞きます。
さくらの顔はそーまさんにはなっていず、神様の話はさくらの妄想でした。
実際には、新谷は彼女の相馬さんと同棲中。
相馬さんの家がお金に困ったため、相馬さんは大学を辞めて働きに出ています。
そして新谷はさくらの気持ちに気付いていながら、過去に告白をさせないように仕向けていました。
「俺たちはずっとこのままでいような。
お前と恋愛でドロドロとか、やってられねーしさ」と言って。
茅野は「告白させてあげれば良かったのに」と言い、新家にさくらと話し合うことを勧めました。
過食で腹痛を起こして倒れたさくらは、見舞いに来た新家から、彼女はちゃんと現実に存在したままだと聞きます。
自分が消したワケではないと分かってホッとしたさくらは、新家に告白しました。
自分は自分だと再認識したさくらは、後日茅野と笑って、おしまい。
疲れていた時に読んだこともあって、センチメンタルな気持ちになり、さくらと自分を重ね合わせてしまいました。
鈴木さんのことを考えながら会社に戻ると、ちょうど鈴木さんがドアを開けて部屋に入ろうとしている所で、私に気付いて笑っていました。
(何でいつも、鈴木さんは私の存在に気付くと、笑うのかしら…ムカムカ)
50mくらい離れていたので、鈴木さんは私を待ってドアを開けていてくれるかな?そのまま行ってしまうかな?と思いながら近付くと、いつものようにドアを押さえて待っていてくれて、私が入るタイミングで手を離しました。
「いいのに」と言ったら
「微妙な距離だったんで」と笑っていて、何だかちょっと寂しい気持ちになり、そして、
「なんで、『ありがとう』って笑って言えなかったんだろう」
と思って、食後の歯磨きの時にちょっと泣いてしまいました。
私が真剣な気持ちをメールすると無視する鈴木さん。
でも同僚としては、今まで通り優しい。
さくらは、こんな気持ちで新家君のことをずーっと想ってたのかなぁ。
鈴木さんは、同僚としては私のことが好きな方ではあるんでしょう。
振ったけど、嫌いなワケじゃない。
だから私も同僚として、他のドアを開けておいてくれる男性たちと同じように
「わーい!ありがとう!」
って言えば良かったのに。
(ドアを開けてくれる男性は、鈴木さん含め4人いますが、その他大勢は待ってはくれません。先輩後輩関係無し)
他の男性社員には出来ることが、鈴木さんには出来なくて。
ワザと素っ気なくすると笑われて。
でも、真剣に話すと無視っつーのはねー、優しいけど優しくないよ!
まぁ、逆の立場ならそうしますけどね。
人としては嫌いじゃないから、告白されたら面倒とかもあるよね…
私が立ち直るのを、他人目線で微笑ましく見守る鈴木さんは、さぞかし良い気分でしょう。
穏やかな優しい気持ちを味わえているはずです。
あと、惚れられた気分の良さもあるよねー。
私が大変な時は、特に何も言ってこないけど、遠くで気付いてるっぽいのは感じます。
同僚ってそーゆーもんですしね。
新家とさくらは、そのままずーっと、仲の良い友達のまま、さくらに彼氏が出来たら新家は笑って喜んで、応援するのかな?
「優しくして」とも「冷たくして」とも言えなくて、さくらは切なかったろうなぁ。
でも、茅野のお陰で新家君とちゃんと話せたから、羨ましいなぁ。
やっぱり、気持ちを察するだけでなく、ちゃんと面と向かって話すことで、区切りがつくことってあるよなぁ。
元彼は別れても友達でいられるタイプだったので、私がそれに納得していたら、今でもそんな友達でいたのかしら?
人の縁を大事にするとしたら、それはそれでアリなんだけど、でもやっぱり振られた側は、その優しい他人目線が寂しいですね…。
しかし、この程度のやり取りで泣くなんて、私よっぽど疲れてるわ…
トラブル続きだから厄払いがてらご祈祷行こうとしてたのに、間に合わなくて払えなかったせいかしら…
歯磨きを終えて席に戻る時、鈴木さんの方をチラリと見たら、プライベート携帯を触っていました。
他の人は自主的に鈴木さんからメールが貰えるのに、私はただドアを開けて待ってもらえたことくらいで喜ばないといけないんだ、と思うと虚しくなったので、慌てて「サザエさん妄想」に頭を切り替えたのでした。(仕事もしてますよ!)
私が新たに恋をして、彼氏が出来てルンルンしていたら、鈴木さんはまた微笑ましく他人事として見るのかしら?
「惜しいことした!」とは思わないと思うけど、歳下にそんな目で見られるのは、モニョモニョした気持ちになりますね…