若い頃は転職を繰り返していた私ですが、今は不満はたくさんあるけど人生で1番長く一つの会社に勤めています。
コロナ前から業績も良くなく、今後いつまで保つかなぁという不安がありつつ、もう転職活動する気力が無く…な状態のため、人がバンバン辞めていってるのですが、そんな中で比較的よくタイミングが合えば話していた年上男性が退職することを知りました。
あまり書くと身バレする、というかご本人に悪いのでアレですが、独身でマイペースなオタク気質の方で、退職を知った時点でもう会うタイミングが無いままになってしまい、そこはかとなく虚しさを感じています。
私はまだ基本リモートワークをしているので、ここ数年はタイミングが合えば話すの頻度も減っていました。
あまり社交的なタイプの方では無く、「よくあの人と普通に話してるね」と他の人から言われたこともあったけど、私以外にもオタトークする女の子とは仲良くしていたし、愚痴も言い合える良い人だったなーという印象です。
一見大人しいタイプに見えて、陰で文句を言いまくる系の人が多い職場の中では、表裏なく話せるその方のほうがマトモに感じていました。
本人から直接何も聞いていないままですが、元々「この会社あとどのくらい保ちますかね？」という話はよくしていたので、見切りをつけたのかな？と思っていたら、移動を言い渡された翌日に退職届けを出したそうです。
社内通知で移動を知った時点で「あの人、これ嫌がりそうだなぁ」と思いはしたのですが、本当に耐えられなかったみたい。
他の同僚に「私、あの人と挨拶してないままなんだけど…次はもう決まってるの？」と聞いたら
「いや、何も決めずにいきなり退社届け出してるんだよ。アイツそういう後先考えない突拍子もないことするヤツだからさぁ」
と言っていて、そんな思い付き行動タイプの印象は無かったのでビックリ。
まぁとは言え、本当は次が決まっているけど内緒にしたい、とかかもしれません。
以前も唐突に退職した若者がいたのですが、その人は若いだけあって次も決めずに辞め、半年くらいしてから転職したとか。
私も若い頃そんなことはあったから、そういうものよねー、とは思います。
が、中高年になるとそんな気軽には出来ないし、特に今の社会情勢を考えたら私はギリギリまで様子を見たい派になってます。
私は今も1番最初に務めた会社の人とプライベートで会っていますが、他の職場の人とはマンガ話が出来る他部署だった人とやり取りしてるくらい。
学生時代の友達ももう残っていません。
今の職場では、退職した人とはもうそれっきりという感じ。
中高年になると「人との別れ」に慣れまくってしまい、一つ一つの出会いを大切にしなくなるもんだなぁと思いました。
相手がそう思っているのって見ていて分かるし、じゃあこっちもそういう態度で接しよう、となりますね。
元々はそういう人間関係は嫌いなタイプだったのに、私も変わったものです。
「この人とは、ここまでの関係」という線引きをあからさまにする人って、保身剥き出しで嫌だなーと思っていたはずなのに。
でもそういう風に思っていなかった人がサッと引いていくのを何度も体験する内に「じゃあもう、自分もそうしよう」と思うようになっちゃいました。
時々テレビやネットニュースで中高年の孤独が話題になりますが、そりゃそうだろうな、と思います。
自己保身の為に他人の愚痴や悩みを聞いてる余裕は無い、という段階を経ると、こちらもそれで関係を断たれて傷付きたくなくて言えなくなってしまう。
「誰かに話を聞いてもらいましょう」
というアドバイス？で孤独のテーマについて締めくくっているのを見かける度に、鼻で笑ってしまいます。
「話を聞いてくれるのは、医者か飲み屋のマスターか占い師くらいだよ。金銭関係がなきゃ成り立たないから」と。
今は悩みがあったらネットで検索して
「そう、これ言って欲しかったの」
という言葉を探す人が多いんでしょう。
自分も悩みがあれば検索するし、そこで望む言葉が見つからなかったから自分でブログをやっている部分があります。
前述の退職する同僚が、どんな風に憤ったのか、悩んだのか、今どんな気持ちなのか分かりません。
こんなことを言っては失礼ですが、同じ独身中高年のオタクとして、つい他の同僚に
「あの人が今後どこかで無差別事件とか起こしたら、どうしよう？
インタビューとかされたら『あぁ、やるかもって思ってました』って言ったらダメだよね？」
と笑い話のようにしてしまったのは、本人には内緒…。
そうなる前のストッパーがある人か無い人か、分かりません。
「何か悩みがあったら話して」と言い合える関係では無いし、そこまで踏み込んだ仲になりたいわけではない。
でも、会わなくなるのは寂しいなぁ、とは思っています。
本人の人生だから自由に決めて良いと思うし、引き留める間柄ではないけれど、でも「このまま挨拶もせずにお別れかぁ」と思っている私はいる。
それを伝える機会が無いまま、その方が追い詰められたりしてたら嫌だなぁとは思います。
そういう中高年の事件ニュースが増えているけど、それは件数自体が増えているのか、以前なら報道されなかったレベルでもネットニュースの話題作りで増えているように見えるだけか分からない。
単に世の平和の為だけに「何か事件起こしたりしないと良いなぁ」と思っているのか、その人本人のために「安定していて欲しいなぁ」と思っているのか、自分でも正直分かりません。
ただ頑なな部分もある人だったので、追い詰められた気持ちになったら…もしや…とか思ったりはしちゃって、それはそれで失礼だなぁと自分でも思うのを止められません。
先日ネットニュースで、秋葉原の無差別事件犯人の友人（元同僚）が、そういう衝動を持っている人をサポートする活動をしている、という記事を読みました。
この本を編集したものだったのですが、犯人は良い面と悪い面があって、でも友人として付き合う人はいたんですね。
こういう事件に対して、SNSだと日本政府批判とか日本社会批判の声をあげる人もいるけど、私はそれに賛同はしません。
犯人たちに似た傾向があったとしても、それぞれ別の人間であり、どこの国でもそういう事件は起こっているので。
全ての人に寄り添う社会の実現なんて、夢物語か宗教的と思えます。
でも、そういう事件が起こるのは仕方ない、とまでは思わない。
でも自分が出会った人が事件を起こしたり、被害に遭ったら嫌ですね。
それを防ぐために自分が何か出来るとは思えないのだけど…
今のこの惜別の気持ちを本人に伝えることで、何か変わることがあるかもしれないし、無いかもしれない。
口にしないと、心の中で思っているだけでは意味がないとは思う。
でも、他人と出会う、関わるって、何かしら影響を与え合うことではあるなぁと思いました。
休日は家から出ず、ソシャゲに課金しまくったり、ネット情報を鵜呑みにするタイプの人だったし、独身中高年男性だから何かしでかす可能性はあるかもなぁ、なんて思うこと自体失礼な話なんですけどね。
私自身が周囲の人からそんな風に思われていたらすごく嫌だし。
ま、個人的にはオタクの方が日々の楽しみを見つけやすいとも思います。
孤独な方が楽な人もいるし。
きっと本人ともう話す機会は無いけれど、そんな風に色々考えさせられる関係ではあったかなぁ、とぼんやり思うし、寂しいなぁと思っている、ということだけはどこかに吐き出しておきたいかぁと思いました。
