昨日書いた某ブログの流れで、「無への道程」というブログを読みました。
まだ全部読んでいないのですが、労働に限界を感じ、FXでセミリタイアをしようとしたら東日本大地震で150万円損失し、そこからカウントダウンをしながら自死までの日常を書いた、という30代男性のブログで、2012年にネットでかなり話題になっていたそうです。
最後の記事のタイトルは「さようなら」で、2chでは警察に問い合わせて最後を確認した、という人もいれば、コメント欄に本人はまだ存命だと書いている人もいたのですが、真実は分かりません。
アラフォー以上の独身女性で、金銭的にも肉体的にも絶望的な気持ちになり、孤独感をネット相談に書く方を時々見かけるのですが、そういう「そもそも生きる目的が分からない」となってしまった方の言葉を読むと
恋愛で悩めるのは、まだ幸せなことなのかなぁ
という気持ちになりました。
もちろん、その恋愛がうまくいかず、仕事もうまくいかずに絶望的な気持ちになる、ということはありますが、まだ誰かを好きになれるだけマシなのかな、と。
「あの人に会いたい」
「あの人に相応しい自分になりたい」
そういう気持ちで、身嗜みに気を遣ったり、働いてお金を稼いだり、そういう目的の為に努力しようと思えるのって、前向きなことですね。
30代までに積み上げた職歴が無いとその後の人生が絶望的になる、とか、中年になってリストラされて先が見つからない、という方はこの国にはたくさんいるだろうと思います。
それは男女関係無いのですが、何となく抱え込む気持ちの内容が男女では少し違う気がします。
人によってもちろん違うとは思いますが、
男性は高収入を得られる仕事をし続けられない自分の能力に悩み、
女性は守り守られる家庭を持てなかったことに孤独感を感じる
というのが傾向としてある気がします。
女性でも仕事やお金がなくて劣等感を感じることはあるのですが、それを己の能力のせいだと責めるのではなく、運だと思う人もいるかも。
今ドラマで放送されている「カンナさーん!」のアラフォー編を立読したら、そんなエピソードがありました。
幼少期からお金が無いことを嘘でごまかしてきた女性の話で、色々考えさせられました。
無料立読で1話以上読めるので、お時間あるかたは是非。
男女関係なく 仕事とお金で悩むことはあるけれど、でもまだ女性が「男性並みに働いて稼ぐ」というのは「自由を手に入れるため」というのが目的だという価値観で、そう考える女性は少数派という認識が世間では多い気がします。
一方男性は「自由を手に入れるため」ではなく、「そうしなければならない」という価値観かもしれませんね。
私も何度か転職していて、なかなか次が決まらず、恋愛もうまくいかず、人生に絶望的な気持ちになったことはあります。
30代半ばになると、転職は人生の大きな分岐点となり、「生きるか死ぬか」くらい限界に近い分かれ目となります。
ただ、私の周囲の女性は、この「無への道程」のブログ主さんの状況になっても、カウントダウンしながら日々を過ごすということは、多分無いだろうと思います。もちろん私も。
実際に私の友人は、恋愛はもう何年もしていないし、仕事もバイト状態のままで、体調もあちこち悪くして病院通いばかりしながらこのブログ主さんの年齢を越えていますが、日々趣味で楽しみ、それを生き甲斐に生活しています。
元々目指していた職業に何度か就きましたが、心身を壊しては辞め、今は仕事に夢を抱けなくなってしまっています。
恋愛ももう夢を抱けないようです。
でも毎日ジャニーズ、舞台、宝塚、韓流アイドルなど様々なモノをチェックして、SNSで友達を増やし、あちこちに出掛けていて、楽しそうです。
時々ドカンと不安に襲われることはあるようですが、波がありながらも、先に楽しみを作って生きています。
私も一度滝沢歌舞伎のDVDを観せてもらいましたが、パワーがすごくて、この世界に夢中になる気力があれば、日々仕事頑張れるなぁと思いました。
「無への道程」のブログ主さんも、カウントダウンしながら旅行をしたり、本やゲームを楽しんではいましたが、それだけの為に生きる気持ちにはなれなかったのだと思います。
もしかしたら、私の友人が元気なのは、ジャニーズ等に恋愛的な幸福感をもらえているからかもしれません。
「お金」はもちろん大事。
そしてお金を稼ぐ為には「ときめき」が大事。
どちらか一方だけでは、生きていくのは辛い。
ブログ主さんは「お金があれば死なない」という旨書かれていましたが、お金だけあっても生きる気力を無くす方もいるので、やはり「ときめき」も大事だと思います。
その「ときめき」が、恋愛なのか仕事なのか趣味なのかは人によると思います。
生きる気力が無い=鬱
では無いと思います。
鬱じゃなければ働いて稼げるとは限らないので。
でも何でもいいから「ときめき」を見つけたい。
お金の力でときめきを見つけても良いし、ときめきの力でお金を稼ぐ気持ちになれても良い。
女性は、男性よりも「ときめき」を見つけやすい気がします。
女性向けのビジネスは多いから。
それに「たくさん稼がないといけない」というプレッシャーがあまり無く、「暮らせれば良い」という価値観の人が多いかも。
男性はそこで更に「男のプライド」が重荷になってしまうのかもしれませんね。
「生きる気力」は自分で見つけるしかないけど、私は失恋だけで、失業だけで生きる気力を無くさないようにしたい。
それはこの先年齢を重ねる度に、より重いものになっていくだろうと思います。
出来ることなら、恋愛のときめき、趣味のときめきを持ちながら、お金を稼いでいく人生を続けていきたい。
そんなことを考えるキッカケになってくれたことを思うと、「無への道程」というブログは、人々に影響を与えられる作品なのではないかと思いました。