西村しのぶの「サードガール」に書かれている言葉です。
「サードガール」はかなり昔のマンガで連載開始が1984年。
懐かしい感じの絵柄ですが、当時はカルト的な人気を博したという、既成概念に囚われずに自由恋愛を楽しむ若者のお話で、可愛くてオシャレで面白いです!
神戸が舞台だけあって、「トレンディー!」って感じ。
愛蔵版の表紙では夜梨の顔が全然違いますね。
遅筆&未完の多い漫画家の西村さんらしく、2007年に完全愛蔵版として未収録分が発売にはなりましたが、未完となっています。
雑誌の休刊もあったし、ストーリー的にはここで終わってもまぁ大丈夫なところで終わってはいますが…てか他の西村さんの作品もみんなそんな感じでフワッと続きが描かれないまま終わってますが。
主人公の夜梨は連載開始時に神戸の女学館というお嬢様私立学校に通う中学生。
「20歳になったらおばさんだから、今のうちに遊ぶんだ!
友達みたいに、ボーイフレンドを1ダース作りたい!」
と言う夜梨は、オシャレでめちゃくちゃ可愛くて、街中で大学生集団からナンパされます。
その中であえて彼女持ちの「涼」に目を付け、「大人の恋」に興味を持つ夜梨ちゃん。
涼は典型的なチャラ男ですが、美しく芯が通っていて、でも家庭的で古風なところのある美也という同級生と付き合っています。
バブル全盛期の大学生なので、ピンヒール履いてオシャレして大人っぽい美也さんは、過去に歯医者の開業医と不倫していたエピソードもあり…
美也公認で涼と付き合う夜梨(プラトニック)は、その後付属の高校、短大に進学しますが、高校時代の同じ年のボーイフレンド大沢くんが現れます。
穏やかで優しい大沢くんは、その後京大に進学。
神戸と京都で遠距離恋愛していましたが、大沢くんはゼミの先輩のワンレンサラサラヘアーの美女にかっさらわれてしまいました…
この大沢くんも酷くて、夜梨とちゃんと話をしないまま美女を部屋に泊めて関係を持っていて、抜き打ちで遊びに来た夜梨と友達にそこを見られて終わってしまうんです!
この美女がこぼれ落ちそうな程大きな真珠のピアスをしていて、以前美女に会っていた夜梨はその素敵さに憧れてピアスを開けたりしていたくらい、この美女は素敵な人でした…
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神戸の女性としては、京都の女に男をかっさらわれたのはプライドが傷付くようです。
その話を知った美也が友達のまりをちゃんにこの話をしたところ
「ま、失恋には『時間薬』と『男薬』。
問題は次の『男薬』をいつ飲むか?
早過ぎても効かないし、遅くてもダメ」と言われ
「あと、飲み過ぎもダメよね」と、大人の女たちが笑い合う、というのがタイトルのエピソードです。
その後、夜梨は偶然会った友達の後輩のかずぼんに気に入られ、かずぼんの連れていた子犬を通して仲良くなり、良い感じになったところで連載は終わりました。
ちなみにかずぼんは大沢くんの高校の後輩。
涼と美也とかずぼんは神戸大学。大沢くんは京大と、この高学歴でオシャレなところも当時ウケたのは納得です。
西村しのぶのマンガでは、恋をキチンと丁寧に楽しみながらも、サバサバして可愛く、失恋してもプライドを捨てない、カッコイイ女たちが登場します。
不倫のお話とか、夜遊びする大学生とか出てくるので、ちょっと今とは感覚が合わない部分もありますが、面白いですし、参考にしたくなります!
神戸出身の西村しのぶさんが描く神戸はとっても楽しそうでオシャレで素敵で、家族旅行と高校の修学旅行の2回しか行ったことがなかった私は、数年前に一人旅で行ってみました。
が、三宮駅周辺は思っていた感じと違ってビックリ。
まぁ横浜もイメージと実際は結構違いますしね。
この「時間薬」という言葉は、時々失恋した人の相談サイトの中でも回答コメントで書かれていることがあります。
本当に時間薬は効果的で、ものすごく執着したり、怒りを感じていたり、悲しかった失恋も、少しずつでも毎日を楽しもうと思って過ごしていたら、気付いたら次に進んでた、となりますね。
でも、毎日ツラツラとずーっと足元を見ていると、「男薬」を見落としてしまったり、「時間薬」が効かないこともあります。
それは他人がアレコレとアドバイスしようとしてもダメで、本人がキチンと納得をしなければ先には進めません。
失恋をした夜梨は、少し経ってから可愛くオシャレをして学校に行き
「お!オシャレする気分になってきた?」
「うん。せめて身繕いくらいは明るくしないとね」
と友達と笑って話し、学校が終わった後に1人でカフェに行き
「紅茶に入ってるミントが大好き!
私はどうしてミントが好きなんだろう?
あと、私はどうしてパンストが嫌いなんだろう?」
と、自分のことを見つめ直しながら大沢くんを思い出し
「もっと優しくしてあげれば良かったねえ。
ごめんね、大沢くん」
と心の中で思います。
友達との旅行ついでに単身赴任中の涼に会いに行き
「お前だけが悪いんじゃないよ。
恋愛は2人でするものだから」と言われ
「良かった。私だけが悪いんじゃないんだ!」
とホッとして元気をもらった夜梨は、その後偶然図書館で大沢くんと再会しますが
「あの…元気?」と聞かれ
「うん!」と笑顔で返すだけで会話を終えて立ち去ります。
この、自分なりに前を向く為に考え、無理をせず、でも卑屈にならない夜梨はカッコイイ!
ちなみに「サードガール」というタイトルの理由は
「大抵の女性は、3人目の男とうまくいくから」
だそうです。
もちろん、登場人物たちは私よりずーっと若いけど、でも心意気だけは今からでも真似したいもの!
私は夜梨のように、「もっと優しくしてあげれば良かったね」と落ち着いて考えられる人は、やっぱり素敵だなぁと思います。
「あんな男!」とか「私があの時ああしていれば!」とか激しく考えるより、素敵。
私も長々引きずっていた片思い、鈴木さんへの気持ちが、日に日に薄くなっているのを感じています。
先日、貸したものを返しに来ないので「急いでないけど、覚えてる?」とメールをしたら返信が無かったのですが、「まぁいいか」と思ってあまり気になりませんでした。
翌々日くらいに、その間鈴木さんがトラブルでバタバタしていたことが分かり、通りすがりに
「大丈夫?」と声をかけたら
「はい。あ、借りてたもののこと、すみません…」と言われましたが
「いいよーいつでも、落ち着いてからで」
と笑って会話を終えました。
以前なら内心は「返信くれないってことは、優先順位が低いってことだ…」とか卑屈に思ったりしてましたが、今は
「私と鈴木さんは、その程度の間柄だし、それでいいんだ」と思えます。
「優先順位が低くて当たり前!」とか「期待しちゃダメ!」とかネガティヴに考えて感情に蓋をするのではなく、自然と無理せずに「まーいいか」と思えるようになれたのは、時間薬のおかげだと思います。
このブログでは、時間薬の効果を書き記していることになるのかな、と思っています。
無理矢理、誰かの言葉を鵜呑みにして、自分の感情に蓋をする必要は無いと思います。
少しずつでも、心から自然と「こうありたい」と思う方向に感情が動けば良いのではないでしょうか?
段々、鈴木さんの動向を気にしなくなりました。
でも近くにいたら「イケメンだなぁ」と思うし、嫌いになったわけではないし、話したいことがあれば話しかけます。
単に、気に入ってる同僚であり、プライベートでは無関係な人、と思えるようになりました。
今は、鈴木さんと個人的にメール以上の関わりを持ちたいとは思っていません。
「もっと一緒にいたい」「もっとやり取りを続けたい」と思わなくなりました。
でもたまーに、思い出して落ち込むこととかもありますが。
「追うのを止めたら、追ってくるかも?」
と期待する人もたくさんいますし、そういう方がこのブログに辿り着くこともありますが、そういう期待をしている内は苦しいし、ストレスも溜まります。
でも、そう思う気持ちを自分で無理矢理止めることは出来ません。
待ってる気持ちで長い時間を費やして、それが無駄になるのが怖い、と思うのは、ただ現実逃避をしているよりマシと思う人もいるかもしれないけど、そんなの人それぞれ。
「何ヶ月後までに忘れなきゃいけない」
とか、自分で決められる人もいれば、決められない人もいます。
それを自分の物語として、楽しんで見つめていける方が、人生としては面白いのでは?と思います。