昨夜は酔っ払ったままブログをアップし、12時に目覚ましで起きて、二日酔いでドロドロのまま舞台「クラッシャー女中」を観に行ってきました。
中村倫也を目当てにチケットを取った舞台でしたが、いやー良かった!面白かった!
ネタバレ感想はメインブログにもすでに書いていますが、改めて思ったことをこちらに書こうと思います。
中村倫也を生で観るのは2回目。
前回の「ふぁさっとトークライブ」もチケット激戦だったのに取れてましたが、この舞台はさらにドラマ「はじめて恋をした日に読む話」の影響で、更に当日券目当ての方が増えたようです。
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でも多分、今人気のイケメン俳優のファンになったーって感じのノリの方には、「クラッシャー女中」はちょっと理解できない世界だったみたい?
私もそんなに観劇の経験はないのですが、それでも友人に舞台好きが切らほらきたので、「本多劇場ってことは、笑える小ネタも詰まった若手の面白い舞台って感じかな」と想像していました。
ポエムみたいなセリフが飛び交って、でもその言葉には実はストーリーの根本となるものが詰まっていて…というのが、ドラマや映画と舞台の違いだと思っています。
三谷幸喜とか昔好きでしたが、ドラマと舞台じゃやはり世界観が違いますものね。
とにかく生の中村倫也が観られてよかったーというタイプと、舞台として面白かった、というタイプの方の感想をTwitterで見かけましたが、私は舞台としてとても面白く観ることができました。
という舞台とはーという話ではなく、ここで書きたいのは、中村倫也演じる義則のストーカー、麻生久美子が演じたゆみこのこと。
12歳の時から義則のことが大好きで、でも「好みの女の子は色白で、背が小さくて、目が離れている子」と言われ、「背が高い私はダメだ…」と打ちひしがれてしまいました。
そんな彼女が17年かけて壮大な計画を立て、大好きな義則に近付く、というお話なのですが…
ネタバレしてしまうと、大好きな大好きなずっと片思いしていた義則のこと、親との軋轢、プレッシャー、屈折した感情、他人からの批判、そういう、義則が他人の前では取り繕って隠していた部分をゆみこは知っていたのに、プロフィールの基本となるような「血液型」のことは、勘違いしていて知らなかったのです。
どんなに片思いしている相手の情報を手に入れようと努力して模索していても、血液型程度のことも分かっていなかった。
そんな彼女の話を散々聞いた義則にも、ゆみこの血液型を見抜けなかった。
長年義則に復讐しようとしていた静香は、待ち続けていた兄から裏切られる。
静香の兄は弱さゆえ、復讐の気持ちを持ち続けることが出来ず、恨むべき相手と恋仲になる。
義則の母親は、自分のコンプレックスを息子で解消しようとし、それが叶わず心を病む。
それを某家政婦のように見て、全てを記憶している中年女中。
この7人のお話は、人って他人の前では取り繕うし、どんなに話しても裏があって、笑い合っても泣き顔を見せても怒鳴り合っても、心底全て、自分自身のことも他人のことも分からない部分がある、という、深さのある物語で、でも笑えて良かったなぁ。
劇中歌の書き起こしをしている方のブログを見かけましたが、あーあの時のあの歌詞は、最後のここで伏線回収されているんだ、と納得できたり。
でも、分かりやすい胸キュンドラマとかではないから、ドラマや映画と同じ感覚で舞台を観た方には「?」だったのかもなぁ、とも思います。
そんな風に、人それぞれ受け取り方が違う、というのも、面白い部分でもあり、人って疲れるなぁと思う部分でもあります。
昨夜友人が「私は、自分がされたら嫌なことは他人にはしない。でもたまにイライラしてしまうことはある」と言っていました。
でも、よしながふみのマンガ「フラワーオブライフ」の中に
「自分がされたら嫌なことをしない、なんてのは幼稚園児でも出来る当たり前のこと。
『相手がされたら嫌なことをしない』のが大人」
というセリフがあったな、と思い出しました。
相手の気持ちを読むのって、すごく難しい!
大人なら出来て当たり前ってわけじゃない。
むしろ、大人になるほど、その難しさに直面して疲れることから逃げたくなる。
だから、安定した間柄の人としか関わりたくなくなったりもする。
1人で脳内で考えていても解決しないこと、なんですけどね。
そういうことを、こういう舞台を作る脚本家さん兼出演者の根本さんも思っているのかな?と感じられた舞台でした。
人って本当に、考えだすと難しいなぁ。
でも舞台が面白くて元気をもらえました!
チケットはもうなかなか取れないと思いますが、7月のテレビ放送をスカパー!とかで観られる方は、ぜひぜひ!