一つ前に書いた友人との対応の件に近い話を、鴻上尚史がAERAのお悩み相談で回答しているのを見つけました。
ちなみに鴻上尚史について調べたのは、メインブログに書いた「観劇中の前かがみ姿勢」で炎上したのを見たからです。
友人含め多くの観劇ファンが「鴻上さんはお悩み相談はすごく良いことを言ってるのに、本業でこんな発言するなんて失望した」とつぶやいているのを見て
「どんなお悩み相談をしてるんだろう?」
と思って覗いてみたのです。
私の友人に近い例だなと思ったのはこちらです。
鴻上さんはこういう人生論の本も出してらっしゃるんですね。
「空気」を読んでも従わない: 生き苦しさからラクになる (岩波ジュニア新書)
- 作者: 鴻上尚史
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2019/04/20
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私は多分、この相談者さんにソックリなことをしたこともあるし、思い改めた後もそういう態度を取る人を見たことがあり、それに関する考察もメインブログで書いています。
メインブログでもこの別館でも何度も何度も書いていますが
「普通〜に決まっている」「アドバイスしてあげている」という目線での会話は、人間関係を悪化させるだけです。
でも気づかずにやり続けている人はとても多いし、自分もウッカリやってしまいそうになります。
私は自分が元彼と復縁したがっていた時に、上から目線でアドバイスのフリした見下し発言する人たちにたくさん出会い、そして悩む自分をうざがる人が多いのにも気付き、とてもイライラしたし悩みました。
「彼氏が欲しいって言ってるから、こっちは考えてアドバイスしてあげてるんじゃん。
それが嫌なら、私の前で『彼氏が欲しい』とか言わないでよ。
こっちは相談だと思って考えて答えてるんだから」
と言われたことがあります。
あれ、私、愚痴が聞いて欲しかった、励まして欲しかっただけで、辛口アドバイスなんて求めてなかったんだけど?
辛口アドバイスが効果的なケースもありますが、現時点で傷ついて疲れている人には逆効果なんですよ。
私「あの時あんなキツイこと言ってくれてよかった」って未だに思ってませんもん。
却ってイライラしたり、意固地な気持ちになったり、追い詰められた気持ちになりました。
相談者さんはまだ28歳。
ちょうど女同士は価値観の違いで縁が切れやすいタイミングです。
私のその年頃くらいからバンバンと女友達と縁が切れました。
で、色々あって、友人たちとも話して
「アドバイスしてあげよう、とは思わず、でも、相手から相談を持ちかけられるまで何もしない、という受け身の姿勢ではなく、自発的に出来る良い方法があるのではないか?」
と考えるようになりました。
現時点でまだ手探り状態ですし、相手によって対応は変わります。
鴻上尚史さんの回答は「もうその友達とすぐに縁を修復するのは無理。これからは他の人と接するときも、自分から悩みを聞こうとせず、相手が話してくるまで何も言わずにいましょう」と締められていました。
ただそういう一般論に加え、ご自分の体験として
「かわいそう。何かしてあげたい」と思うことは、とても気をつけないと相手を無意識に見下すことになるのです。
というお言葉も書かれていたのは、とても良かったなと思いました。
世間の多くの一般論は「もう自分から話しかけるのはやめましょう」ってところで終わりますもんね。
私自身も思慮深い人間ではありませんが、相談者さんの想像力は階層が浅く、鴻上さんの階層はもう一段深かったけれど、更にまだもう何段か深い階層があり、それを全て理解して実行できてこそ、同内容の悩みを抱える方を救える内容だと思いました。
ポイントは「相手は女性であり、女性は男性よりも共感を求める生き物だ」とうことです。
相談者さんはお友達の状況、心情を想像出来ず、無理やり聞き出したお悩みに上から背線でアドバイスし、共感をしなかった。
若い時にはありがちなことです。
その先に「もう自分からは他人の悩みを聞かないようにする」という選択肢を選ぶか
「相手を不快にさせにように、ユーモアを交えながら共感をし、相手の心を解してあげる話術を身につけるのか?」で、その後の人生、交友関係は全く変わります。
私は鴻上さんには、後者を具体的に紹介して欲しかったですねー。
前者は一つ前にも書いたけど、悩んでる人が自殺してしまった時に
「なんで相談してくれなかったんだろ?」
と思うことになると思います。
助けを求めていない人は助けない、それはとても表面的な対応じゃないかなぁ。
愚痴を聞いて欲しいけど、お説教や余計なお世話はかけられたくない、でも、完全に放置されたら悲しい
そういう気持ちになりやすいのが28歳以降の女性な気がするけどな。
私は朝書いた記事の後に、友人と2度ほどLINEのやり取りをし、少しだけ状況を聞きました。
「7月頭に社長から会社の状況を聞き、心身ともに忙しない状況だけれども、とりあえず趣味のライブで大阪に行く」、と書かれていました。
私はその返信に
「大阪なら梅田のたこ焼き屋さん「はなだこ」のねぎマヨたこ焼きが美味しかったよ」
と、まずはポジティブな楽しい内容のオススメを書きました。
これは内心は「とりあえず大阪は楽しんできて、気分転換してきてね」という意味がこもっています。
でも単純に「コンサートと美味しい食べ物食べて気分転換してきなよー」と言うのは、社交辞令っぽすぎるから、敢えて具体的に店名を出しました。
その次に
「新しい職場が引っ越してから、心身の調子が悪いってずっと言ってたけど、倒産の気配を無意識に察知してたからなんじゃない?
倒産直前に敢えて新入社員を入れて、助成金をもらおうとしたり、節税対策する会社があるって前に聞いたことあるなー」
と書きました。
友人が引越し先の職場にかなりイライラストレスを溜めているのを知っていたので、それを
「きっとあなたは無意識に察知できていた、そこを離れるのは良いことなんだよ、きっと。あなたは悪くないよ」
という意味を込めています。
また、「なんで入社食後に倒産するの?」という疑問の回答になるかはわからないけれど、世の中ではそういうケースは多い、ということを書きました。
友人からの返信は「あー引越し後の不調の原因、それだわ」と納得している返信がきました。本人なりにも腑に落ちたのかな?
その後余計なお世話になるかもしれないけれど、現職と似た業種の会社にツテのある友人がいるので
「そこの会社で求人募集しているか聞いてみようか?」
というのも書きました。
これは、興味があれば聞いてみるよ、というだけのスタンスであり、本人が別のことをしたいならそれで良いと思っています。
今は考えられないかもしれないけど、そもそも求人募集しているか分からない会社の話なので、候補の一つがあるかも?という希望を持たせたいと思いました。
私の今回のLINE内容が絶対に正解だとは思いません。
ただ、私の性格上ではこれが精一杯です。
本当に言いたい直接的な言葉をオブラートに包むのではなく、ちょっと捻って別のアプローチの仕方で伝える。
受け取り手を責めない、むしろポジティブ、とまで行かないけど、少し気を楽に出来る言葉を探して伝える。
私がブログを5年くらい続けてきて見出した「私が欲しいお悩み相談の回答」は、こういう言葉も混ざったものなのです。
時にはキツイアドバイスとか、うざいから聞きたくない。
こっちから助けを求めなきゃ連絡もしてこない友達なんて、もういらないの。
ちょうどよいタイミングでちょうどよい手助けをしてくれる、自分のことを分かってくれる落ち着く友人と笑って話したいの。
ただ私の良くないところは、こういう思考回路で相談に乗るのが「思慮深い」と思っているため、鴻上尚史さんや、相談者さんのようなアドバイスをする人のことを
「考え浅くね?」
と上から目線で見下してしまうところです…いやいや、私もまだ全然道を極めていないし、ケースバイケースな話なのに…
でもね、こういう「悩んでる人がいる」「その人を心配している人がいる」時の対処法って、相手の性格や本人の思考回路で結構違うんですよね。
大抵は双方の思慮の浅さでトラブルになって、絶縁関係になるの。
相談者さんとお友達は、もう再会することはほぼ無いと思います。
お友達はずっと我慢していた関係を絶ったことで、精神的に優位にいるからです。
一度自分から捨てたものに憐れみの言葉をかえることもありますが、このケースだとまぁ無理ですね。
「あんな馬鹿が反省して考えを多少変えたところで、もう存在を思い出すのも黒歴史だから、関わりたくないわ」
って上から目線で完全無視される可能性が高いです。
友人にはもう頼れる恋人や他の友人がいて、その人達といる方が楽しいんでしょうし。
でもね、それは相談者さんが一方的に悪いんじゃないと思う。
学生時代の友人なんて、たまたま同じコミュニティーにいたから仲良くなっただけの存在ですから。
相談者さんの上から目線のアドバイスに「そういうの止めて」と理論的にしっかり言い返せる人もいると思う。
そういうアドバイスを「そっかーそうだねー、色々考えてくれてありがとうー」って本心から言ってくれる人もいると思う。
単純に、2人は根本的には合わない人だった。
それでも、相談者さんが同じ態度を他の人に取り続けると、やっぱり同じように縁を切られる可能性は高い。
だから、「相手を不快にさせないで、でも見捨てない方法」を鴻上さんには教えてあげて欲しかったな。
私は性格が悪いので「この回答で深いとか、良いこと言ってるって思う人は、思慮が浅い冷たい人間だな」って思っちゃうんですよね。
もちろん他の人生アドバイス系の本やサイトで、最初の1ページに簡単に書かれているレベルの薄いアドバイスより全然マシだと思うけど。
他のお悩み相談もいくつか読みましたが、鴻上尚史さんは相談者の心情に共感していないな、というのと、親や年配者は若者より優れている、上の立場だと強く思っているな、というのを感じました。
「納得いくまで話し合いましょう」
とか言ってるのあったけど、相手が話し合える人かどうかはケースバイケースだからねぇ。
と書くと…私はなんで、復縁なんかに拘って時間つぶしたんだよ…って思うけど…
あの失恋があったから、こう考えるようになりました。
今の私が正解かは、何度も言うけど正しいか分かりませんけどね。
他の方があのアドバイスをどう思っているのか、いつか聞いてみたいなと思います。
とりあえず私の親しい友人たちは「浅いな」って言うと思いますけどね。