おかざき真里のマンガ「サプリ」には名言が多いのですが、その中でも働く女性にグッとくるのが
「私たち、仕事してお金を得て、オシャレも美味しいものも、たくさん手に入れてきたのに、
恋愛だけが私たちを傷付ける。許せないじゃない?」
という言葉でした。あ、一語一句は合わせてません。すみません。
サプリについては以前も書きましたが、妙齢の働く女性たちが、それぞれ悩みながらも、
「頑張って働いて行くために、自分らしく生きていくために伴侶を得る」
という選択をしていきます。
それぞれの旦那様ためには、少なからず問題もあるのですが、そこも引っくるめて愛していけるのは、彼女たちが自立しているからこそ。
1人普通の事務の女性がいますが、彼女は自分の安定した未来の為にお見合い結婚をします。
登場する男性の2名が、伴侶としては見切りをつけられるというのも面白いところです。
イケメンでも、大手でキチンと働いていても、
「俺に合わせて欲しい」とか
「まだ結婚とか考えられない」という男は選ばれない、と。
仕事では理論も理屈もシッカリしている女性でも、恋愛になるとグダグダになって、視野が狭くなってしまう。
それは、感情には明確に目に見える数値が無いからかな?と思います。
よく男性は端的に筋立てて話し、女性は感情に主軸を置く、と言われますが、仕事で男女共に見ていると、能力と性別は無関係だなぁと思います。
男性でも起承転結が無いどころか、間違った方向に話を持っていっていて、支離滅裂なまま結論が無い資料作る人なんて、たくさんいますし。
女性でも、感情的にならない人もいるし、感情を筋立ててキチンと話せる人もいますよね。
でも恋愛になると、やはり「正解」が分からなくて、右往左往してしまいます。
サプリの主人公も、必死に優等生として正解のやり方で恋愛をしようとして、クタクタになって、それを仲間の女性に指摘されるシーンがありました。
でも、気を抜いて間違えて嫌われたくないって気持ちもわかります。
私は根がズボラだし、適当だし、女子力低いから、恋愛は難しいです。
でもどうして、それで「傷付けられる」んだろう?
もう「ピンチがチャンス」じゃない、「ピンチが致命傷」の年齢になってしまいましたが、恋愛に関しては、仕事に比べてゴールが不明確で、でも傷付くことが多くて、無駄が多くて、そして相手によって正解が違うので、あまり理屈で考えるとクラクラします。
広告デザインという業種では、「自主プレゼン」「競合プレゼン(コンペ)」というものがあります。
※明確な言葉の意味は違う解釈のところもあるかもしれません。
「自主プレゼン」はクライアントに自主的に「こういう広告を作りませんか?」と提案するもの。
「競合プレゼン(コンペ)」は数社が同時にデザインを提案し、一社だけが選ばれるというものです。
「自主プレゼン」は片思いしている相手に告白するのと同じですね。
相手が恋人を欲しがっていて、条件に当てはまれば付き合える。
恋人を欲しがっていても、条件に当てはまらなければダメ。
「競合プレゼン」はライバルを蹴散らして、なんとか選ばれようとすること。
クライアントのこともライバルのこともよく調べ、なおかつ個性を打ち出さなければ勝てません。
クライアントによっては、無難なデザインを求めているところもあるし、個性的なものを求めているところもあります。
そして、どんなにお金や時間をかけて提案物を作っても、選ばれなければ1円ももらえません。
(昔は競合プレゼンだとプレゼン費がもらえたことも多かったのですが、最近は減りました)
でも例え負けてお買い上げにならなくても、記憶に残れば、他のお仕事をもらえるツテになることもあります。
その時選ばれた他社が切られて、次に選ばれることもあります。
ただし、予算を値切られたり、無理難題を吹っかけられることもあります。
突然切られてしまうこともあります。
ずっと良い関係を続けていたつもりでも、ライバルに掻っ攫われることもある…
うーん、やっぱり広告デザインと恋愛って似てるかも?
ただ、仕事なら同時に他のものもこなしながらお金を得ることも出来るので、同時に複数人とお付き合い出来ますけど。
さて、ものすごく個性がある、実力がある作品を作れない人は…
「上手な人の真似をしたり、参考にしたりして、無難にキレイなものをたくさん作る。
クライアントのことをよく考えて、丁寧に、誠実に仕事をする」しかありません。
それすらうまく出来ず、ただただ妥協して流れ作業のように仕事をする人もいます。
大好きな人の前で自由に振る舞う、というのは、ものすごい美女だったり、個性的な部分を好まれていなければダメ。
相手が無難にそこそこキレイなものを求めている人に、個性的なものを見せてもダメ。
クオリティが低いなら、値段を下げなきゃダメ。
夢を追うのに疲れて、業界を去る人もいます。
ブラック会社で心身を壊す人もいます。
何でもバリバリがむしゃらにやっていける若手と違い、ベテランの年齢になってしまった時にあまり能力がなかった場合は、どこかで折り合いをつけないといけません。
その時に、心身のこと、金銭のことを1番に考えるという選択肢もあります。
もうプレゼンに参加なんて、する余力は無い。
ただ毎日コツコツと小さな仕事でもやり遂げてお金をもらい、他の楽しみを持つ。
そういう人生もあります。
今、私たちはどこの立場にいるんでしょう?
クライアントは色んなところがありますが、足元を見て無理難題を平気で言うところって多いです。
そういうところ程、冷酷に切り捨ててきたりもします。
それでもお付き合いがある時に良い仕事が出来ていれば、次のクライアントに信頼されることもあります。
恋愛でも広告デザインでも、今の時代の流れと、自分の実力を読み、的確な判断をしなくては生き残れない。
諦めずに頑張って、うまくいく人も、うまくいかない人もいる。
自己満足だけでは食べていけない。
どんな仕事でも、それを欲しいと言ってくれる人がいなくてはいけないし、欲しがられるものは何か考えないといけない。
仕事でも恋愛でも、たくさん傷付いてきたけど、でも手元に残ったもの、今の力になっているものもあります。
手を抜かないで、自分だけ損したとか、馬鹿だなんて思わないで、やりたいことだけでなく、やれることを考えないといけないのかな。
100記事目を書くにあたり、そんなことを思いました。