先程メインブログにネタバレ感想を書きましたが、水城せとなの「世界で一番、俺が◯◯」の4巻を読みました。
ずずずさん、発売してたの教えてくれてありがとうございます!
で、今日東京大神宮で雛祭りのご祈祷の為に並んでいる間に、スマホで買って読みました。
昨夜鈴木さんのいる飲み会で色々落ち込んでいた私には、ふみちゃんの気持ちが分からなくもない部分があり、重かったです。
何故、他人から見たらダメな男だと見抜かれるような、平気で嘘をつく男を好きになってしまうんでしょうか…
私は昨日一つ気付いたことがあります。
よく「ミラーリングをすると、相手に好意を感じさせることが出来る」と恋愛マニュアルに書いてありますが、ご存知ですか?
相手がとった行動を真似る、というもので、例えば相手がグラスを持ったら自分も持つ、とか、同じ仕草を真似ることで「私たちは似ている」と思わせることが出来るそうです。
鈴木さんはこのミラーリングを時々します。
私の発言と同じ言葉を同タイミングや少し遅れて言ったり、私がブロッコリーを取った直後に鈴木さんもブロッコリーを取ったり、と、他人から見たら小さなことなのですが、意識している人にされるとドキッとしてしまいます。
そして、優しいことを言ったかと思えば、突き放す態度を取られる。
これを気になっている相手にやられたら、何とか相手のことを理解したくなって、飢餓感のようなものを感じて、どんどんハマってしまう…
アッシュと違って鈴木さんは無意識にやっているのでしょうが、勝手にこちらは色々考えてしまうんです。
そんな鈴木さんは、本当に気軽に嘘をつきます。
昨日送別会のプレゼントを退社する人に渡した時、鈴木さんには中身は事前に伝えてあったのに
「えー何だろうー。へー!」
と、まるで中身を知らないような合いの手を入れていました。
ちゃんと送ったLINEを読んでなかったのかな?と思って驚いた目で私が鈴木さんを見ると
「いや、知ってますけどね」
と笑っていて、その演技に私が目を丸くしていることに更に笑っていました。
また、以前鈴木さんのお父さんの職種を同僚から薄っすら聞いたことがあったのですが、それが本当に合っているのか分からなかったので
「鈴木さんのお父さんは、仕事何してるの?」と聞いたら
「普通の会社員です」と言われました。
私が同僚から聞いていた職種はガテン系だったので
「あれ?私が以前ほかの人から聞いたのと違う」と言ったら、周囲からツッコミが入り
「いや、ガテン系だけど、ガテン系の会社の社員だから、会社員ってことで」と誤魔化していました。
もしかしたら、ガテン系のお仕事だというのが恥ずかしいと思っているのかもしれません。
もしくは、色々聞かれたくなかったのかも?
でも、他の同僚たちには本当のことを話しているのに、私にそんな嘘をつく意味が分かりません。
理由なんてなくて、なんとなく無難に流したかっただけなのかな。
私はそういうことは嫌いな人にしかしないのでよく気持ちが分かりませんが、作家の菅野彰さんも、鈴木さんのようになんとなーく流れでテキトーな作り話をしてしまう、とよくエッセイで書いています。
周囲に合わせてその場その場でテキトーなことを鈴木さんが言うことは、皆んなも私も分かっています。
そんな人嫌なんですが、でも、分かっていても何故か許す気持ちになってしまっていて、そのテキトーさとたまの優しさの狭間で心が千々に乱れてしまいます。
同僚が鈴木さんに彼女の話を振っていた時、私は聞きたくなくて他のグループと話していたら、鈴木さんの声がどんどん大きくなっていきました。
すごく嫌で、鈴木さんがいる側の耳を塞ぎながら他の人の話に耳を傾けていたら、更に鈴木さんは大きな声で彼女の話をし始め、さすがに嫌になって私は喫煙所に避難しようと席を立ちました。
私が聞きたく無さそうにしていたのは、鈴木さんも分かっていたはずです。
鈴木さんはそういう人の態度をすごく気にするタイプだし、特に不愉快そうにしたら目ざとく気付く人です。
そして、元々鈴木さんはそんな大声で人と話すタイプではありません。
仕事の話を皆んなとして欲しくて誘った私の前で、ワザと彼女の話を大声でする気持ちが理解出来ません。
彼女と暮らしているのは私も知ってるし、今は鈴木さんを個人的に誘ったりしていません。
それでも、好かれていること自体迷惑だとアピールしたかったんでしょうか?
なら、普段からもっと素っ気ない態度を取れば良いのに、親しげな甘えた態度も取られるから、私も一生懸命可愛がってる後輩として接しているつもりなのに、あの大声での彼女トークには辟易しました。
そのくせ、私が過去の男性の話をすると、偶然かもしれませんが毎回鈴木さんは顔を背けて、他の人と話し始めます。
まぁアレコレ私が考えたところで、鈴木さん自身は何も考えていなくて、私が傷つこうがなんだろうが、アッシュがふみちゃんからのLINEを面倒がっているように、テキトーに流して気にも止めていないんだろうと思います。
というこの今の私の気持ちは、漫画の中でタロちゃんが口にしていました。
そしてもう一つ自身と重なったのは
「他人を自分の思い通りにするのは不可能」
というアッシュの発言です。
元彼と揉めていた時に
「俺を自分の思い通りにしようとするなよ!」
と言われたことがありました。
そんなつもりはなくて、ただ自分の希望を言いたい、嫌なことを我慢したくない、という気持ちだったのですが、それが思い通りにしようとしている、ということなんでしょうね。
飲み会の席で、同僚達と仕事の話をして刺激を受けて欲しい。
後輩から「女のことしか考えていないクズ」と思われているのを払拭して欲しい。
私の前で彼女の話をしないで欲しい。
それは私の勝手な気持ちで、鈴木さんはそれに合わせる筋合いはありません。
でも、勝手に不快な気持ちになってしまって、その気持ちに頑張って蓋をするのが気持ち悪くて、
何で好きな人の前で頑張って我慢しなきゃいけないんだろ?
どうせ進展しないんだから、距離を置くのが一番良いに決まってるのに。
と少し考えてしまいました。
まぁ以前ほど好きでは無いので、そこまで辛くなって深刻に考えたわけではないのですが。
うーん、こうやって書くと、漫画でもそうですが、とても些細な気のせいのようなことで、人の恋心は盛り上がったり萎んだりしますね。
他人から見たら「その程度のことで?」と思うようなことでも、本人には一大事。
送られてきた絵文字や顔文字だけで、アレコレ推察してしまうものです。
「話したいことがあります^_^」と送られてきたふみちゃんからのLINEの顔文字で、付き合えるかもと期待してしまったタロちゃんのように、少しでも良い方向に期待したくなってしまうし。
でも、冷静な他人から見たら、アッシュは胡散臭いと気付いたふみちゃんの友達のように、キチンと悪い部分、隠されている嘘を見抜いて、好意を抱かずに済むんでしょうけどね。
だってちゃんと好きならお互い好意をハッキリ態度や言葉で伝えるはずですから。
鈴木さんが私や皆んなの前でテキトーなことや嘘を言うのは、向き合っていきたいと思っていないからでしょう。
そういう不誠実な態度が、より魅力的に見えてしまうというか、手に入らないものが欲しくなるような気持ちにさせる。
もちろん誰がやっても同じ効果があるはずでは無いと思いますが。
でも何だかんだ言っても、私はタロちゃんよりアッシュが好きです。
タロちゃんは優しくて真面目で良い人だと思うけど、優しい人といると、同じだけ返さなければいけないような強迫観念を感じてしまって…
まぁじゃあアッシュを本命にするか?と言えば、不安で一杯になりそうで避けたいですが。
優しいとか誠実とか嘘つきとか、単語で誰もを一括りには出来ませんが、嘘をつく男を好きになってしまったら、それを盲目的に許さず、自分の気持ちをキチンと大事にできる理性を保ちたいものですね。