友人がオススメしていたマンガ「メタモルフォーゼの縁側」を買いました。
私は電子書籍で買ったのですぐに読めましたが、紙の本を予約した友人はまだ届いていないそうです。
ネタバレ的な感想はメインブログで書きましたが、ホリエモンもこのマンガのことをツイートしていたそうで、SNSでもかなり話題になっています。
お話は、75歳の老婦人がBLマンガにハマり、同じくBL好きな女子高生と友達になって、一緒に内容を離したり、池袋のイベントに行くというものです。
この老婦人は3年前に旦那さんを亡くしていて、娘は海外で結婚しているので、一人暮らしで自宅で子供と老人相手に書道教室をしています。
要所要所で、老婦人が旦那さんとのことを思い出すシーンがあります。
BLマンガの登場人物の煮え切らなさを
「ウチの主人もこんな風だったわ」
と言ったり、
マンガを読み始める時も
「新婚時代にはよくベルサイユのばらを読んだりしてたっけ」
と思い出したり、
サンシャインシティに行く時に
「主人と完成した時に行ったけど、行列がすごくて結局登らなかったのよね」
と思い出したり。
そういう思い出を誰かと一緒に作っていくのが結婚だと思うと、やはり羨ましいな、と思うと共に、いつかどちらかが先に居なくなるということは本当にあることなんだよな、と思いました。
老婦人とお友達になる女子高生は、親が離婚して母親と暮らしていて、決まった日に父親と面会のようにお出掛けしています。
しかしもう女子高生なので、イマイチ会話や歩くペースが合わず、義務的に会って戸惑っている感じ。
彼女は自分の外見に自信がなく、学校で友人と趣味の話を楽しくすることも出来ず、幼馴染のイケメンが彼女と楽しそうに過ごす姿を少し寂しそうに見ているシーンが何度かあります。
孤独を感じていた老婦人と女子高生がBLマンガを通してお友達になる
その設定の新しさが話題になっているのですが、最近どうしても
「好きな人と結婚できれば幸せなはず」
と思っていたので、ちょっと自分自身のことを狭い範囲でしか考えられなくなっていたかな、と気付かされました。
私は現時点で、趣味や好きな話題を色々話せる友人が数人います。
それはとてもありがたいこと。
でもそれでも、やっぱり孤独で寂しい気持ちになっていました。
そういう状況にばかり目を向けないで、自分の好きなことをして、そのことについて楽しく考えたいのに、そうすることに
「自分のことしか考えていないダメな人」
という罪悪感を抱いていました。
そんな風に考えなくてもいい
という価値観があるのは知っているのに、心からそう思えない。
「自分は好きな人から選ばれなかったダメな人間だ」とか
「こんな風にちゃんとしてないから、選ばれなかったんだ」とか
そんな風にどんどん自己評価が低くなってきているのに、更に他者から自分を否定されると、どんどん卑屈なくらい自己評価が低くなっていってます。
先日友人がツイッターで
「自己評価が低い人は、自分のことを好きな人は気持ち悪く感じ、自分のことを嫌いな人を『趣味が合う』と好ましく感じる」
というテレビで語られていたエピソードをリツイートしていました。
ただ、自己評価は自分自身で上げられることではなく、他者から褒められたりして自信を持つことで上げていけるものだ、という話をカウンセラーから聞いたこともあります。
私が元彼と復縁したかったのは、
「こんな私が好きになった人が、優しく大事にしてくれたから」
という思い出があるからです。
復縁したい人全てに当てはまることではないと思いますが、失恋は自己評価を低くするキッカケとしては大きなもの。
私は自己評価が低い自覚があるのですが、一見そう見えないので、より他人から否定の言葉を投げつけられやすい自覚があります。
でもこのマンガを読んで、恋愛だの結婚だので自己評価を低くしていても、趣味の合う友人が出来た時のワクワクした気持ちにまで、罪悪感を抱く必要はやっぱり無いよな、と思いました。
好きな人から選ばれて、結婚してもらえないとダメな人間
そう思いたくなくても、そう思ってしまう自分がいて、何をしていても罪悪感を抱いています。
そういうのもう止めたいな、と思っていても、どうしても「謙虚にならないと」という気持ちで、卑屈に自分を否定する言葉を自分自身でも言ってしまいます。
そういう卑屈さが周囲には面倒に見えるのも知ってるのですが、「調子に乗ってる」と思われるよりマシだ、とも思ってしまうのです。
そういう心理的なことをツラツラ考えるより、もっと純粋に楽しんで暮らしていきたい。
そんな気持ちを改めて思い出させてくれたマンガでした。
老婦人の日常をキチンと過ごす様子も、初めて出来た趣味友との関わり方に戸惑う女子高生の葛藤も、胸にシミジミと響きました。
BL好きな人も、そうでない人にもオススメです。
ネットで無料で一部読めますので、そちらで試し読みもどうぞ!