メインブログのネタ作り、というと聞こえが悪いですが、昨日は久々に昼間から新宿に行き、ミーハーな日を過ごしました。
映画「十二人の死にたい子どもたち」の公開記念舞台挨拶のチケット抽選応募のために、チケットぴあのランクを上げて「当選確率UP券」を手に入れたい。
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あと1回チケットを買えばランクアップだったので、映画「チワワちゃん」の公開記念舞台挨拶を観に行く。
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ついでに「十二人の死にたい子どもたち」プロモーションイベント「13番目の死体役生実演」を観に行った。
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中村倫也の舞台「クラッシャー女中」の発券日だったので、帰りに引き換えたら良席でビックリ。
…そんなに私、舞台や映画が好きだったっけ?
いや、まぁ学生時代から勉強のつもりで映画や舞台はたまに観ていました。
授業でも「映画論」という講義があり、授業は教授がセレクトした映画を観るだけ、というのもありましたし。
私の周囲には女優を目指していた子、学生劇団をやってる子、本多劇場に頻繁に舞台を観に行く子、映画史に詳しい子、がいたので、そういう子たちに比べると、私はただのミーハー女でございます。
学生時代に片思いを拗らせ、遊ばれて振られて泥沼った同級生のE君は、映画好きな人でした。
自宅には南Q太や岡崎京子のマンガがあり、そのジャンルで描かれる「モテる男」を実践しようとしていた節もあります。
昨日観た岡崎京子のマンガを原作とした映画「チワワちゃん」にも、モテるクズ男「吉田君」が出てきます。
南Q太、岡崎京子、安野モヨコ、魚喃キリコ、内田春菊といった私より年上のFEEL YOUNG系漫画家さん達の作品には、主人公の女性を平気で笑いながら傷つけるモテるクズ男が出てきますが、未だにこういう男が何を考えているのか分かりませんね。
でも実際にいる…。
「チワワちゃん」はパリピのように遊ぶリア充学生のお話なので、Twitterで映画を観た方の感想を読むと、絶賛する声の合間に
「あんなリア充な生活をしてこなかったから辛い」
というような声がチラホラありました。
めっちゃわかるー。
原作を読んだ時は私はまだ若い娘さんでしたが、地方から出てきたばかりで、ディスコもクラブも敷居が高いしお金も無くて行けず、行き方も分からず、東京への憧れを払拭出来ないまま気後れしていました。
今もそうだなー。
ので、「吉田君」ほど分かりやすく遊んでるモテる男と接した機会はありませんが、でも行動や言動が吉田君みたいだった男たちには何人か会ってきています。
このお話の後半、チワワちゃんと散々やりまくった仲間内の男が
「本気で気持ちが無い相手だと、酷いことも平気で出来ちゃうんだって分かったよ。
あんなこと、今の彼女には出来ないもん」
と話すシーンがありましたが、コレがモテ男が平気で他人を傷つけられる理由なんだろうなぁ、と思います。
学生時代に友人の男友達で、彼女と遠距離恋愛していたイケメンがいたのですが、その人は東京で散々浮気しまくっていました。
で、部屋に連れ込んだ女が生理中だと分かった途端に怒り、
「何しに来たんだよ⁉︎帰れ!」
とその女を追い返した、という話を聞いたことがあります。
友人は笑いながら「アイツすごいよなー」と話していて、私も笑って聞いていましたが、今思い返すとあり得ないな…
結局そのイケメン君は、遠距離恋愛していた彼女と結婚し、幸せな家庭を築いています。
浮気をしてはいたけど、彼女のことが大好きな人だったので、他の女には何の感情も無かったからこそ、平気で酷いこと出来たんですよね…
こういうモテ男は、彼女や友人や家族は大事にするので、残忍な面に周囲は気付かないし、その人がやったことも「武勇伝」のようにネタとして聞き流しがち。
女性の中には、こういう男と一切関わらないまま暮らす人もいれば、何度も引っかかる人もいて、世間は後者を「馬鹿な女」と笑います。
こういう男女の残忍さ、「チワワちゃん」を観て久々に思い出しました。
「チワワちゃん」の主人公ミキは、以前一度吉田茂とエッチしていて、「付き合えるのかな?」と思っていたけどうまくいかずにいたら、彼女としてチワワちゃんが現れてしまいます。
可愛くてスタイル良くて明るくて、素直で奔放なチワワちゃんを見て
「吉田君の彼女になれるのは、こういう子なんだって分かった」
とミキが話すシーンには、ヒリヒリする痛みと虚しさを感じました。
ラスト、吉田君は就活中の姿で現れ、そしてミキを無理矢理捌け口にしようとしたけれど、機能せずに項垂れます。
吉田君はチワワちゃんのことは真剣に思っていたけど、ミキの気持ちは一切考えていなかった。
チワワちゃんはチワワちゃんで、ミキが憧れるものを手にしていながら、依存心や孤独感で崩壊していって、バラバラ遺体となって発見される。
ホントこのお話は、救いがあるのか無いのか分からない…。
このお話に全く共感出来ない人もいるだろうし、何かしら過去の自分を思い出して辛い気持ちになる人もいるんじゃないかと思います。
私はもうミキのように吉田君みたいな男を好きになることは無い、と思いますが、70歳80歳になっても恋愛トラブルを起こす男女はいるので、どうなるやら…
私の年齢でも、変な男に引っかかる女性のブログってチラホラあるしなぁ。
私としては、こういうのはもうお話の中だけで楽しみたいですね。
普通にお互い優しくし合える人にしか、時間も気力体力も使いたくない…
依存心や執着心や孤独感に共感できない人には、全くオススメできない映画だけど、でも昔の名作漫画がこんなにちゃんと現代風に映像化できるなんて、男女の関係性ってずっと変わっていないのかなーなんて気持ちになりました。
吉田君みたいな過去のある男が会社の後輩にいたら、絶対信用できないわ…
でもきっと吉田君は、普通にそれなりの女性と結婚して、幸せな家庭もったりするんだろうなー。
あ、そういう人を断罪するお話が「愚行録」だったな。
うーん…ミーハーに俳優を追い始めたことにより、久々に思い出す感情が色々あります。
私には、東京で(地方にも、各国にもいると思うけど)リア充生活し、笑いながら他人を傷つける人に、まだ気後れする気持ちがあります。
そうなりたかったな、とは全く思わないし、太刀打ち出来ないと分かった今は、とにかくそういう人種とは関わらない、逃げる、というのが賢い生き方なんだろうと考えています。
でも若い頃は、何とか攻略方法が無いのか知りたかったなー。
結局、一度見下してきた相手の感情を変えるのは難しい。
距離を置いて、自分は自分で頑張って、相手から一目置かれる存在になれなければ、事態は悪い方にしかいかなくなる…
という、動物の躾と同じような、原始的な感情が原因で、吉田君やミキみたいな人が生まれるんだよなーと今は思っています。
と、日曜の朝にまだアンニュイな気持ちを引きずっているくらい、映画「チワワちゃん」は良い映画でした。
あ、ちなみに原作を知らない人が「事件解決モノなのか?」と予想して観て、違ってたから未消化な気持ちになった、とツイートしていました。
そっか、原作知らない人も観るのよね、そうよね。
舞台挨拶もとても良かったので、よろしければメインブログの方の感想もご覧くださいませ。
そちらにはこのモテ男やリア充への感情は書ききれなかったので…
うーん、こういう映画観ちゃうと、イケメン俳優が出てるってだけで駄作をキャッキャと観ることはできないなー。
今週末は「十二人の死にたい子どもたち」の公開が待っています。
昨日のプロモーションイベント、閑散としていたのに、ネット記事には
「新宿が騒然とした」
とか書かれていて、ビックリですよ…。
Instagramに投稿してるの、私含めて5人くらいですもん。
とまん君本人が「いいね」を押してくれてた…
映画「十二人の死にたい子どもたち」13番目役とまんの死体役生実演。#十二人の死にたい子どもたち #とまん
ミーハーな私は、しばらくはこうやって東京っ子っぷりを宣伝活動に使って日々過ごそうかと思っております。
いや、暖かくなったら、自然に触れにも出たいんですけどね…寒いから今は無理!