メインブログで書きましたが、最近読んで衝撃を受けた萩尾望都のエッセイ本「一度きりの大泉の話」を、母の日にAmazonを使ってプレゼントしてみました。
本当は「セットで読むと良い」と言われている竹宮惠子のエッセイ本も一緒に贈ろうかと思ったのですが、この萩尾望都のエッセイと合わせて買う人が多いのか売り切れになてしまってました。
竹宮惠子は20代前半の50年前に萩尾望都への嫉妬と自身の才能に苦しんだ話、萩尾望都は漫画家になるまでから竹宮惠子と絶縁し、鬱状態になり、その後の漫画界のことなどを書かれていて、両者の当時の認識の違いが浮き彫りになる構造となっています。
友達と「ねぇねぇ、読んだ?どう思う?」と話したい内容なのですが、私の周囲にこの2人の著書を読んでいる人が思い当たらず、母なら分かるよな、と思って贈りましたが、よく考えたら全然ハッピーではない話を贈るって…
私の母は漫画雑誌を大量に毎月買う人で、おかげで私は萩尾望都の連載をリアルタイムで読んでいた時期があります。
当時読んでいたのは「残酷な神が支配する」でしたが、とてもじゃないけど親と内容を語れる漫画ではありませんでした…
最近また再読したら、当時とは違う受け取り方が出来、「そりゃ手塚治虫文化賞の第1作に選ばれるわ…」と改めて衝撃を受けた名作なのですが、いかんせん内容がハードすぎて、親子で語ることはできません。
最近のAmazonは直接客に手渡しはしない方針になっており、ポストに入れるか、玄関前に置くか、もしくは水道メーターの中に入れるケースもあるため、Amazonで「配達完了」を確認してから実家に電話しました。
開口一番に「コロナに感染したの!?」と言われましたが…
ザッと本の内容を口頭で説明したけれど、「ふ〜ん、今更そんな本をねぇ」という反応でした。
萩尾望都と母はほぼ同世代で、地元も割と近い方なので、冒頭の話とかはせめて興味があるかも?
でもまぁマンガ好きな人だし、手塚治虫とか色々当時の漫画家の話もあるし、漫画好きの母ならそれなりに楽しく?怖く?読めるはず。
その後はしばらく、コロナのこととか色々話しました。
母は新型コロナウイルスのワクチンは打たないことに決めているそうです。
「20代の時にインフルエンザのワクチンを打ったら、40度近い熱が出て死にそうになったことがある。
お友達でも肺炎のワクチンを打ったら感染して入院した人もいるから、ワクチンはやっぱり怖い。
海外旅行とかにいくときに、どうしても必要ってなったら打つけど、今は嫌」
とのことで、こればかりはもう子供が説得できるのもではないのかしら。
ワクチンを怖がる人がいるのは知っていたけど、実母もそうだと初めて知りました。
アメリカが一生懸命にワクチン接種は安全だと伝えるニュースを日々Twitterで見ているし、母が20代の時と今ではワクチンも違う、かもしれないけど…
知人医師も「普通はワクチンの開発には10年かかるのに、こんなに短期間で出来たワクチンなら副作用はほぼ間違いなく起こると思ってるよ」なんて言うしなぁ。
私は別になるようになれ派だし、来年こそアメリカ旅行に行きたいので、焦ること無く順番が来たら打とうかな〜というくらいです。
ま、肺炎やったことあるし、多分インフルエンザで40度越える熱も出たりしたし、自分が感染するよりは他人にうつしたくない、活動を制限されたくないってのが理由。
とりあえず、もうずっと新幹線も飛行機も乗っていないし、九州の伯母が半痴呆状態でずっと入院中なので、この夏は親と一緒に九州に帰ろうかなぁと思っている、と伝えておきました。
「アメリカ旅行にいくはずだったのが、ずっと行けないでいるしなぁ」
と言うと、
「あぁ、○ちゃんの家に泊まりに行くって言ってたね。
そう言えば○ちゃんのお父さん、自殺だったんだよね」
と言われてビックリ。
友人と再会した時に、お父さんが亡くなったことは聞いていました。
その前のやり取りの中でも、お母さんの話は出てくるけど、お父さんの話は出てこないなぁ、もしかしたら亡くなったのかなぁ、聞かないほうが良いのかなぁ、と思ったりしたんですが、でもまぁ、と思って
「お父さんはどうしてるの?」と聞いたら
「あ、お父さんはもう何年も前に亡くなったんだよー」と明るく返されていて、それ以上は死因を聞いていなかったんです。
50代くらいで病死した父の同僚の話もよく聞いていたから、そういうものかなぁって思って。
母が何故知っているかと言うと、今も付き合いのある友人経由で聞いたとのこと。
もううちの両親は私が生まれ育った町を離れて20年近くなりますが、まだ連絡を取ってる人がいるんです。
とはいえさすが田舎…直接の知人ではないだろう人の自殺まで、知ってるのね…
商売をしている家庭だったし、シャッター通り状態になっている所だったから、そういうのが理由だったのかなぁという気もしますが、母からは
「こっちから聞くことじゃないんだし、お父さんとあんたたちの間は何の関係もないんだから、何も言うんじゃないよ」
と言われました。
まぁショックはショックですが、確かに野次馬根性で聞くことでもないし、聞いても何も出来ないしね…昔の話のようですから。
今、友人は旦那さんと可愛い子供と暮らし、近所には姉一家と同居いているお母さんもいるし、幸せそうなので良かった。
旅行には行けていないけど、頻繁に子供の成長写真がSNS投稿されていて、それを見るのを私はとっても楽しみにしています。
九州に帰ろうか〜という話の流れから、今度は
「従姉妹の△が、ついに来月から離婚調停始まるって」
と言われました。
旦那さんが結婚当初から浮気をしていたとか、子供が大学を卒業したら離婚かも、なんて話も母から聞いていましたが、従姉妹本人からは何も聞いていません。
ので共通の従姉妹と時々話題にしていたのですが、「従姉妹には言えないけど、姉同様のウチの母には言えること」もあるみたいで、私は母経由で聞いた話を共通の従姉妹に伝えたり…という親戚ネットワーク状態になっています。
ちょっと前の時点では「離婚するかもって言ってたけど、持ち直したみたい」なんて聞いてたんですが、色々あるもんなんですねぇ…
私はコロナ禍でもほぼ生活は変わっていないのに、世間はコロナ関係なく色々あるんだなぁ、なんて思いました。
人を許す、許さない、好きになる、嫌いになる、色んなことがあって、萩尾望都のエッセイにも「人は難しい」と何度か書かれていました。
SNSを見ていると、「〜するべき」「〜したらこうなるべき」みたいに単純っぽく世の中のことを書いてる人がいるけど、全然そんなことはない。
萩尾望都と竹宮惠子のような天才同士の諍いも、友人の父の死も、従姉妹の離婚も、皆んな人間関係とか色んな要因があって起こっていて、大なり小なり色々あるなぁと改めて思いました。
最後に念押しで「コロナなり何なり、何かあったらすぐ電話しなさい。一人暮らしなのはアンタだけなんだから!」と言われましたが…
「一人暮らしなら家庭内感染しないから、むしろ安全だし。
それに何かあったらお兄ちゃんに連絡するつもりだよ、高齢の親は動かせないから」
と言ったけど、うーん…うち兄が私のためにすぐ動いてくれるとも思えないけどね…
久々に母と長電話して、一時は面倒くさい、毒親、嫌い、と思ったり離れようとしたけど、まぁやっぱり話してて楽だなぁと思いました。
この年齢になって周囲の人たちと話すと、どこの過程でも母娘では色々驚くようなやり取りがあったりするケースも多いみたいだし。
羨ましいなぁと思うお母さんもいれば、さすがにウチの母でもそんなこと言わないわ、ということを言うお母さんもいるし、各家庭本当に色々。
そういう部分も、萩尾望都の漫画ではよく出てきます。
私自身の将来も不安だけど、まぁ親に借金があったりしなくて良かった…
それなりに蓄えはあると思うし、いざとなったら親のスネを齧る娘に逆戻りするかもな…と親と兄から思われてる気配がビンビンするけど…
結婚してたって、従姉妹みたいに還暦間近で離婚する夫婦もいるんだしねぇ。
完全に旦那が悪いんだろうけど、大した慰謝料が取れるような相手でも無さそうだし、今後どうするのかなぁ。
独身の兄と一緒に暮らす可能性もあるかも、とは以前話していたけど…
私は遠くに住んでる親族だから野次馬気分で聞けるけど、本人はまぁ大変だろうな。
でも一回り以上離れた私に相談することもないだろうし、親戚とはそういう事情は知っていても見守るだけの間柄、なものよね??
核家族育ちの私もいまいち分かってないけど…
この先私もどうなるかわからないし、今まで苦しいこと嫌なことがいっぱいあって、緊急事態宣言中に自宅に籠もっていると、そんな嫌な過去をぶわーっと思い出して苦しくなることがあります。
そうなると速攻で処方の安定剤を飲んで眠る日々。
処方してくれてる医者は元々知人なので、カウンセリングではなく個人的に、昨日は2時間処方箋出してもらうついでに都市伝説について語って笑いました。
そういう人が私の身近にまだいてくれて良かった。
母の日に、母に本を贈って電話出来て良かった。
嫌なこともあるけど、良いこともある、と思わないと、押しつぶされてしまうから。
そう改めて思えたのは、やはりこの萩尾望都の本のおかげでもあります。
とういうことで、復縁とか全然関係ないけど、人間関係とか悩みに対して鬱々っとすることがあったら、読んでみるのをオススメしたいなと思います。
あるいみホラー・サスペンスなエッセイになるかもしれませんが…